2006年2月23日木曜日

45度の打球


★こないだの草野球の練習のとき、面白い現象を目の当たりにしまして・・

それはW選手のフリー打撃でのことだったんです。「ライナーを打とう!」と言うのが今年のゴブリンズのテーマなわけですが、W選手の打球は、いい当たりながらもやや打ち上げ気味で、外野手にとっては「捕りごろのフライ」がたくさん飛んでいたわけです。

それを見た僕はアドバイスしなければと思い、「もっと低く、低いライナーを打とう!」と声をかけました。するとW選手は「そう言うけど、それが難しいんだよ」と小言をいいながら打っていました。

ところがアドバイスをして間もなく、渡辺選手の打球は、見事な低いライナーとなって飛び始めたんです。面白いと思いませんか?。恐らく渡辺選手は、僕が声をかけるまで感覚のおもむくまま、漠然と打っていたのに違いありません。それが声をかけて強く意識(イメージ)を変えたとたん、ライナーが飛ぶようになったんです。

彼は「ライナーを打とう」と言うテーマは忘れていたか、覚えていたとしてもあまり意識していなかったと思います。ひょっとするとやってみた本人が、「あれ?、オレ、ライナー打てるじゃん!」と一番驚いたのかも知れません。

とは言っても、いきなりフォームをいじってライナー向きにする必要はありません。ゴルフの杉原プロがテレビのレッスン番組で言ってましたが、「素人さんへのフォーム修正のアドバイスで難しいのは、ほんの少しアゴを引いてなどと言うと、必要以上に大きく動かしてしまうこと」なんだそうです。

野球も同じで、有名な?アドバイス用語「肩を開かないように」という言葉も、素人の草野球選手にとっては、どう言う体の動かし方をすれば「肩を開かない」と言う状態を作れるのか分からず、逆に奇妙な動作をしてフォームを崩したりしてしまうのです。

なので、大事なのは「イメージすること」なんです。打ち方、フォームはいつも通りでよくて、頭の中だけで「ライナーが飛ぶ光景」をイメージするんです。そうすると微妙に身体が反応して、スイング軌道が修正され、少しずつライナーが飛ぶようになるはずなんです。まあ、一種の念力みたいなものですね。

では何故、イメージせず漠然と打つと「フライ」になりがちなのかと言うと、恐らく漫画やテレビの影響ではないかと思ってるんです。ふだん我々草野球選手と言うのは、漫画のホームランの軌道を見たり、プロ野球などのテレビ中継を見て、知らず知らずのうちに45度の角度で上がる打球を一番遠くへ飛ぶ、「理想の放物線」としてイメージしているはずなんです。

でも、実際に球場に足を運んでみると分かりますが、プロのホームランって、けっこう角度の低い物凄い速さの、突き刺さるようなライナーが多いんですよね。角度が何度とかは分かりませんが、決してポコンと上がった45度のフライじゃないんです。

ですが、我々は長年テレビのプロ野球中継によって印象づけられた、「45度のフライ」を理想的な打球だと思い込んで、強く記憶してしまってるんだと思います。

その結果、草野球の練習でフリー打撃をやると、ほとんど人が無意識の内に「45度のイメージ」で打つ、で、そう言う当たりがたくさん出ると周囲は「ナイスバッティング!」って言うし、ついつい「今日は当たってるぞ」って満足してしまうんです。

ところがその時、ふと外野で球拾いをしている人の様子を見ると、45度のフライはいとも簡単に捕球されているんです。実際のゲームならただの凡フライですよね。そう言う状況を見て「これは打撃練習としては間違っているぞ」と思ったわけなんです。

同じ45度の打球でも、プロと素人では根本的に違います。素人の45度は、どうしてもパワー不足で、単なる外野フライになってしまうんです。だから考え方を少しシフトしなければいけません。

出来るだけ30度以下のライナーを打つこと。それもフォームを修正する必要は無く、「イメージを変える」だけでいいんです。草野球では「30度以下が理想の打球角度」なのだと、強く念じるわけです。

「そう言うけど、それが難しいんだよ」と思うかも知れませんが、先日のW選手のフリー打撃が可能性を示してくれてます。打ち方はまったく同じでも、イメージを変えるだけで打球の角度がハッキリと変わりました。バットとボールの当たりどころが、ほんの数ミリ修正されたんですよ。