スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

9月, 2012の投稿を表示しています

不思議な人々列伝

★ある時期僕は、具体的に言うと、1990年~1995年あたりにかけてですが、頻繁に不思議な人々に出会いました。何故か分りませんが、とにかくやたら会いました。 あのころはただ漠然と奇妙に想っただけでしたが、その後、世の中で、不可解な行動の人が多くなったり、動機不明の猟奇犯罪が増えて来たことを想うと、あそこが何かの分岐点と言うか予兆だったのではないか?、などと勝手に勘ぐったりしてしまうのです。・・そのいくつかを、記憶を頼りに書いてみます。 * ◇ 雨に濡れる人 ◇ 西武線「田無駅」近くでのことです。夕方からポツポツと降り始めた雨が、夜には本降りになっていました。帰宅のため電車を降り自転車に乗りかえた僕は、少し急ぎ気味に走っていました。いくつか曲がり角を折れ、田無警察の交差点の手前に来たところで、その「おかしな男」を見かけたのです。 彼はずぶ濡れになりながら、大股に足を開き、道のど真ん中に立っていました。両腕を肩の高さまで広げ、しかし、ひじから先はぶらりと垂れ下げた状態で立っているのです(分かりますかね?)。 「どうしたんだろう?」と想った僕は、横を通り過ぎる時にまじまじと顔を覗いてみたのですが、彼は黒縁のメガネをかけ無言のままこちらには目もくれず、なぜか薄笑いを浮かべて、いつまでも雨に濡れ続けているのでした。 ◇ おかしな外国人 ◇ 西武線「池袋駅」の地下でのことです。駅の改札を入り、ホームへの階段を上り始めると、上からひとりの外国人がおりて来ました。メガネをかけたスーツ姿の真面目そうな白人だったのですが、一箇所だけおかしなところが有りました。 何故かその白人は、厚いボール紙を首からヒモでぶら下げており、そこにつたない日本語で「ひみつけいさつ」と書いてあったのです。 僕は目を疑いました。そして、少しやり過ごしたあと、どうしても理由が知りたくなって数メートルほど追いけたのですが、人ごみに道を塞がれて追いつけず、そのまま彼は、平然と改札を抜け、地下街の雑踏の中へと姿を消してしまったのです。 ◇ ドアぎわの男 ◇ これもまた西武「池袋駅」でのことです。夕方6時ごろのある帰り・・ 僕は電車のドアぎわに立って発車を待っていました。ホームにはいろいろな人々が歩いています。その様子をぼんやりと眺めていたのですが、ある男の姿を見つけて我が目を疑いました。