2010年6月30日水曜日

加藤・高橋 二人展終了

★急に暑くなって画廊に通うのも大変でしたが、何とか終了しました。

もう一人の作家、加藤氏の作品とはまったくタイプが違い、最初はどうなるかと思ったのですが、まあ、何とかなったようです。今回は全部で9点。CGペイントになってからは最も数の多い展示となりました。

一番大きい物で 960mm×960mm と、サイズだけは油彩なみに近づけたような気がします。またCGペイントを知らない人々からは質問攻めにあい、分かりやすく説明するのは大変でしたが、それなりのカルチャーショックを与えることは出来たようです。こちらとしても、大きなCG作品、多数の作品を展示する時のノウハウなどを得ることができ、その点でも収穫でした。

まあ一般には、展覧会と言うと「趣味で描いた絵が溜まったので展示をした」程度に思われ、「一枚でこんな値段するの?」などとビックリされることも多いのですが、我々にとっては、仕事そのもの。大げさに言えば「命を削って生み出すもの」とでも言えばいいでしょうか、それくらい必死の作品群でもあるわけなんです(少々オーバーか?)。

それと、CGと言うと、キーボード操作で一瞬の内に完成してしまうと誤解している人もいて(友人なんですが‥)、その人に詳しく説明して改めて驚愕されたなんてケースも有りました。ちなみに私の場合、1点の作品を完成させるまでにおよそ1ヶ月はかかります。これを単純に日当1万円で計算すると、30万円以上で売れなければ採算が合わないことになります。そんなことでも理解してもらえればと思います。

それから、現在のCGペイントに到達したのがここ数年のことで、つまり40歳半ばを過ぎてから、ようやく自分の思う表現方法に近づけたとも言えるのです。同じ頃、今回二人展をした加藤氏と再会し、作品発表の扉を開かせてもらいました。それまでは、20代の学生の頃から含めて約30年間、「何をどう表現したいのか分からない」、七転八倒の孤独と苦悩の日々でした(自分で言うのはオコガマシイが)。

てなわけで、あとどのくらい描けるのかは分かりませんが(次の発表も未定ですが)、命を削って?描いた作品群の行く末を、これからもみなさんに見届けてもらえればと思います。



★中学時代に一緒に絵を描いていた知り合いより、二人展の感想が寄せられました。コメント欄では「文字数が多すぎて送信できません」のアラートが出てしまうそうなので、ブログの本編に載せさせてもらいました。

「サブカルチャーの聖地」とかの中野ブロードウェイは、最近、図らずも自宅団地の防火管理者という立場になってしまった小生には、まるで焚き付けの店を詰め込んだような迷宮であった。
「こりゃあ、何処かの店で出火でもあったらエラいことになるなぁ・・・」

 そして運良く辿り着いたその一隅で「加藤栄吾・高橋フミアキ 二人展」という、もう一つの迷宮を見た。
 随分と趣を異にする二人の作家の作品は、しかし或る意味で、絵描きにとってのアプローチの違いの向こうに、何処か相通じる心性へと辿り着く道が隠れているような気もしたし、また、絵画という表象の身体性、記号性ということを改めて考えてみるのに良いコントラストを成していた。

 高橋氏の作品は、一見、見る者を独自の記号の迷宮に誘い込むかのようである。
が、その「記号のようなモノ」の「意味するコト」を辿る事は決して出来ず、寧ろ作者は、スタティックでどこか虚ろな感じのする実験装置のような仮想都市を箱庭遊びのように迷宮化し、誰も辿り着けぬ物陰からひっそりと誰かが絵の前に現われるのを待っているかのようだ。

 CGデータとは、常に身体を他者に借りなければ視覚表象足り得ない幻だ。作者にとって描くという物理的現場は、日夜カシカシとハッチングを繰り返すタブレット面にしかない。また画家にとって、ひたすら繰り返すハッチングという行為は、瞑想と覚醒を同時にもたらす儀式であり、やがて画家は無数の線とともに解体され、絵画という身体の中に織込まれてゆく。が、CGの場合はモニタに浮んだ仮初めの画像がPCの中に引換券として収監(保存)されてしまう。それをどんな体裁のクローン(商品)的身体に置き換えたとしても、その絵画という現場(身体)は本質的に虚ろなままである。が、思えばそのCGの「虚ろさ」は、どこか人間存在や現代社会の虚ろさにも通じる。
 重厚なハッチングと強い陰影による仮想テクスチャー表象が、今後どのような身体を獲得し、どんなアウラを発するだろうか。

 そして、高橋氏とは虚実反対の側から、存在の虚ろさの中に絵画的身体を模索しているかのように、私には思えたのが、もう一人の作家の加藤氏の作品。こちらは寧ろ、「記号的なるモノ」を極力解体し、「意味してしまうコト」を逃れ、存在の川面に差し込む光りの中に、ふと立ち現われてくる「何者か」を、どういう距離で捉え、どう塗り込めるか、と、いうような仕事のように、ワタクシには思えました・・。

さて、また中野ブロードウェイに行くことがあるかどうかは分らないが、そのときは先ず非常口を確かめよう。


by 炭水化物を減らせ! 




  

2010年6月10日木曜日

加藤栄吾・高橋フミアキ 二人展

加藤栄吾・高橋フミアキ 二人展」
(終了しました)

6月24日~29日
12:00~19:00(最終日17:00まで)
中野画廊アヴェニュー
(現在閉廊されています)

★グループ展「元気なアート展」にお越しいただいた方々には御礼申し上げます。第二部(高橋は出品せず)が七月から有りますが、その前に、6月後半から同じ画廊で二人展をやります。

今回は最大「95cm×95cm」の大きな作品も出品します。加藤氏は芸大の同期で油彩画ですが、私は前回同様オールCGペイントの絵画になります。

使用機器は、iMac 21.5インチ、
ワコムIntuos3タブレット&スタイラスペン
使用ソフト painterX
プリンター EPSON PM-4000PX(8色顔料インク)

期間は短いのですが、グループ展よりもサイズが大きく、一人の作品数が多いので、作家ごとの見応えは有るかと思います。また中野ブローウェイは「サブカルチャーの聖地」とも呼ばれているところで、画廊以外にも面白い店などがたくさん有ります。そう言った点でも楽しめるはずです。


加藤栄吾(かとう えいご)略歴

1955・埼玉県日高市生
1982・東京藝術大学大学院美術研究科 修了
個展多数 
1981 G・アートギャラリー(銀座) 
1983・84 ルナミ画廊(銀座) 
1988・1991・2000・2002・2004
わたなべ画廊(飯能市) 
2001・2002・2005 伊勢丹 そごう 三越等のデパート 
2006・2008 中野画廊アヴェニュー(中野) 
2007 京王プラザホテル ロビーギャラリー(新宿)
グループ展多数 
1984 「フォア・ボールズ展」 代々木ギャラリー 
1985 「平面・五人展」 東京藝術大学展示室 
1986 「FIVE SENSES ’86」 東京藝術大学展示室 
1988・1993世田谷美術館 
1989・2001・2002・2005・2007 埼玉県立近代美術館 
1991・2004・2005・2006 わたなべ画廊
2007 中野画廊アヴェニュー他


高橋フミアキ (たかはし ふみあき) 略歴

1958・東京板橋区生まれ 
1982・東京藝術大学油画科卒業 
1982・株式会社コンピュータグラフィックスラボ入社
1988・退社後フリーランス
雑誌、文庫本、ポスター、パンフレットなどのイラスト制作
展覧会歴
グループ展「Sight Seeing UENO」(油彩画) グループ展
「ONE DAY エキジビション」(アクリル画) 
TEAM ブンチカ2人展「B.C.展」(アクリル画・粘土オブジェ) 
わたなべ画廊企画展「アートスクランブル 2005~2007」(CG ペイント)
絵画入選歴
第8 回日本グラフィック展入選(アクリル画)
第10回日本グラフィック展入選 (アクリル画)
日本イラスレーション展入選(JACA)(アクリル画) 
クレセントコンペ'90 メイドイン大賞入選(アクリル画) 
ON PAPER GALLERY 入選(アクリル画)
東レ・デジタル・クリエーション・アワーズ2002 入選(CG ペイント) 
東レ・デジタル・クリエーション・アワーズ2005 入選(CG ペイント) 
文化庁メディア芸術祭平成15年度(第7回)審査員推薦作品(CG ペイント)