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映画ナチュラル

★今日の昼間、テレビ東京で映画「ナチュラル」をやってまして、かなりカットされて中途半端なものになってはいたのですが、つい見てしまいました。やはり良く出来た野球映画ですね。

僕が傑作と思っている三大野球映画は、「ナチュラル」「フィールド・オブ・ドリームス」「プリティー・リーグ」なんですが、このナチュラルは1984年8月公開と言うことで、もう20年が過ぎたことになるのです。

あの当時、まだ渋谷の会社に勤めていまして、たまたま仕事帰りに道玄坂で見た映画だったんです。あの頃は、あまりに仕事が忙しかったために、プロ野球を見る機会もほとんど無く、順位も分からない状況だったんです。それに過激なアンチ巨人としては、「どう頑張っても、巨人中心主義は無くならないんだ・・」と言う無力感もあって、僕の中での「野球」は終わりつつあったのかも知れませんね。

そんな時「ナチュラル」を見ました。この映画は最初1館か2館くらいでしか公開してなかった小品で、たぶん、何かの大作と抱き合わせで買い付けた物だったんでしょう?(あくまで想像ですが・・)。

ただ主演がロバート・レッドフォードと言うことで、彼のファンなら夏休みを利用して、それなりに観る人がいるだろうと考えたんだと思います。ところが、夏が終わって涼しい風が吹き始めても、客足が途絶えることは無かったんです。そうして、やがて思わぬヒット作となり、つぎつぎ上映館が増え、異例のロングランとなって行ったのです。

あの時、僕の心の中で何かが変わったんですね。「巨人中心の日本野球ではなく、本当のベースボールの面白さを誰かに伝えたい」確かにそんな気持になった記憶が蘇ります。その布石があって、ゴブリンズの話しが持ち上がった時に「草野球チームで、今までに無い何かを表現できるのかも知れない」と漠然と思い、引き受けたのかも知れませんね。

「四球を狙うな、積極的に打ちに行こう」とか「点数よりもヒットの多い方が勝ち!」などと、奇抜な言動で周囲を戸惑わせたことと思います。それと「ブレード走行記」、なんて読み物を書いたりすることもその狙いの一つだったんですね。こう言うのはたぶん、他のチームではあまり見られない活動だと思うんですが・・

ところで、「ナチュラル」のDVDでも買おうかと(いつも安くなってから買うので)値段別検索をしていたら、DVDで観た人の感想・五つ星評価などが出てました。それらを読んで、愕然としましたね。だいたいが20代〜30代の人が多いんですが、みんな「象徴法表現」が分からないのか、解釈がピントはずれなんですよね。こう言っちゃ失礼なのかも知れませんが、最近の若い人は読書をしなくなったせいか、映画の鑑賞もヘタになってると思います。

細かい解説は面倒なのでしませんが、こんなに読解の浅い人が多くなると、映画の作り手も(小説家も)、どこまで説明したら理解してもらえるのか不安になるでしょうね。少なくとも、スタンリー・キューブリックの様な前衛的映画作りは難しくなって来るでしょう。

そう言うお前は「読解力」とか「鑑賞眼」とかあるのかよ! と言われそうですが、とりあえず一つ、僕の鑑賞眼が証明された映画があります。それは1989年に日本公開された「フィールド・オブ・ドリームス」。

当時これは、ほとんどの人が「父と子の絆」を描いた映画だと言っていましたが、僕はは当初から違うと思ってました。「これは、信じれば夢は現実となる」と言うことがテーマの映画だと言い続けました。でも、このことは周囲には全然理解されませんでしたね。
何しろ高名な映画評論家までも「父と子の物語」なんて言っていましたから・・ で、しまいにはゴブリンズのメンバーとも酒を飲んで口論になって、険悪な雰囲気になったこともあったんです。

しかし、2002年に翻訳された「WP・キンセラ氏」の本、「マイ・フィールド・オブ・ドリームス」と言う著書の中で、キャプテン高橋の考えが正しかったことが証明?されました。

と言うのも、原作者本人が「これは父と子の和解の物語ではない」と否定してしまったのです。さらに「どんな不思議な夢を見てもいいんだよ。一度、その夢を実現させようと決め、その実現に向かって行動すれば、どんな夢でも必ず実現するんだよ、そう言うストーリーを書きたかった」とも、告白しているからです。

・・この一文を読んで、とにかく非常に嬉しかったですね。それは自分の考えが正しかったと言うより、感動を共感できる人がいた!と言うことでしょうか? でも、それが原作者だったと言うところが皮肉と言うか、少々寂しいのですが。 



  

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