★クローン人間のことが話題になると、その是非とは別に気になることがあります。キャプテン高橋は少年のころ友人たちと心霊研究をしていたことがあるのですが、そのときの知識に照らし合わせてみると、クローン人間とはどんなモノになるのか、とても興味があるのです。
まず普通の人々はクローン人間を、「肉体のDNA的複製」とだけ考えがちですが、心霊的に見ればそれだけでは不完全で、その肉体に宿っている霊魂の方が人間の本体なのですから、霊魂まで複製しなければ完全なクローンとは言えないと言うことになります。
では、霊魂と言うのは、複製できるものなのでしょうか?
「複製」と言う概念からは外れるかも知れませんが、霊魂が分裂することはあります。たとえば一番分かりやすいのは「一卵性双生児」です。これはご存知のように、受精した一つの卵子が子宮内で二つに分かれ、二人の人間として生まれてくることですが、この時、同時に霊魂も二つに分かれます。
つまり本来一人の霊魂だったものが、二つの肉体に宿って生まれて来ると言うことになるわけで、我々が考える「クローン人間」に一番近い形と言うことになるかと思います。
逆に、複数の霊魂が合体することもあるようです。と言うより、ほとんどの人が、複数の霊魂が集まって一人の人間として生まれ変わって来ている、のだそうです。だから、一人の人間の中に、一言では表現しきれないようなたくさんの性格、性癖、本人にも分からない奥底の感情など、複雑な意識がうごめいているわけです。
ところが、その複数の人格が完全に統合されていない幼児期に、あまりにひどい虐待を受けたりすると、そのショックで統合に失敗し、人格がバラバラになったままになる「多重人格症」と言う精神病になってしまうわけです。
これは性格が入れ替わってしまうだけでなく、名前や生まれ育った場所、経験したことまで言い分けると言う特徴があります。心理学的には「創作された人格」だと言われていますが、海外では、副人格の言ったとおりの場所にその人の墓があった、なんて症例まで確認されているようです。
まあ、そんな病的ではないにしても、自分の中に、人には言えないような凶暴な性格が潜んでいて人知れず悩んでいたり、酒を飲むと突然人が変わってしまったり、それを翌朝には完全に忘れていたりなど、本来の自分ではない、副人格に左右されているとしか思えない人を見かけたりするようなことはありますよね? つまりこの副人格とは、「潜在意識」と呼び方を変えた方が分かりやすいかも知れません。
話しをクローンに戻しますと、心霊的に見れば、こんな風に複雑な行程を経て生まれて来る人間と言うものを、細胞の断片のDNAから簡単に複製できるとは思えません。肉体はともかく、霊魂を複製できるとは到底考えられませんね。
・・とすると、もし仮に成功したとして、そのクローン人間の体は、どんな霊体に取り込まれてしまうのでしょうか? 想像するだけで恐ろしいです。普通は、法則的に祖先の霊が生まれ変わって来ると考えられていますが、法則を無視した行為には、どんな気味の悪い浮遊霊が来るか分かりませんよ。悲惨な事故死をした霊? それとも世の中を恨んで自殺し、行き場所を亡くした悪霊なのでしょうか?
・・なんて、「クローン猫料金格安に」と言う記事を読んで、空想の夜は更けてゆくのでした。
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