★「全6球ナックル勝負!えりちゃん涙の復帰!」だそうです。
どうもこの、「ちゃんづけ」や「姫」と呼ぶのも好きになれませんが、男でも「王子」なんて呼んだりしてるので、まあ、こんなもんなんでしょう。
でもとにかく、関西独立リーグも幾つか新しいスポンサーを見つけたり、募金活動などの努力で存続、吉田えり投手も復活できて良かったです。
ところで、この「女子選手」と言う存在、草野球の世界ではけっこう風当たりが強いと言うのを知っていますか。幾つかの草野球サイトの「フォーラム」では、必ず一度は男に混じってプレーする「女子選手」に関するスレッドが立ち、そこでは、女子選手が「真剣勝負にどれほど邪魔で不必要な存在か」と言うことが延々と語られているのです。
ゴブリンズにはこれまで述べ3名の女子選手が在籍していたので、複雑な思いでそれらの記事を読んでいました。内容の説明は面倒なので、興味のある人は草野球サイトを検索してみて下さい。
・・で、今回ちょっと気になったのは、そんなプライド高き男たちが、「吉田えり投手」について何も語っていないと言うことなんです。あちこちサイトを覗いて見たのですが、それに関するスレッドはまったく見当たりませんでした。
あれだけ女子選手について饒舌に(悪態を?)書いた人たちなら、「女子選手のプロ入り」についても、どんどん発言して当たり前のはずなのに、どうしちゃったんでしょう。
もしや、彼女は独立リーグと言えども「プロ」なので、草野球のテーマにはそぐわないとでも思ったのでしょうか。それとも?、ホンキで野球への夢を追いかける彼女に、気後れしてしまったのでしょうか。
考えてみれば、「吉田えり投手」がやっている野球の方が、硬式球使用の9イニングで行う「本物の野球」なわけで、屈強な?男たちがどんなに頑張ったところで、2時間7イニングの「お遊び草野球」では、分が悪いのです。でも沈黙はいけません。怖気づいて逃げたと思われても仕方無いですな。
草野球(軟式野球)とは、残念ながら「本物の野球」では有りません。ミニ・ベースボールです。サッカーとフットサルの関係だと思えば分かりやすいでしょう。
しかしそのフットサルも、今では「ミニ・サッカー」と言う位置づけではなく、独立したスポーツとして成り立っているわけで、軟式野球もそんな風に、硬式野球とは独立した形で成熟して行けばいいんじゃないかと思ってます。
自分のチームの話しで恐縮ですが、ゴブリンズは元々そう言う考えで始めたチームです。たとえば「四球狙い禁止」。四球を選ぶと選球眼が良いと褒められるのが通例ですが、2時間7イニングの制約では、球数を増やす四球狙いはスピード感に欠け、イニング途中での時間切れの要因にもなり、ゲーム全体としての面白さを損なうことが多いからです。
また、「メンバーを選ばない」と言うこともテーマの一つでした。出来るなら、男女問わず、経験問わず、国籍問わずの精神でチームを作り上げたいと思っていました。最終的には、女子選手3名、イギリス人選手1名、台湾系選手1名の在籍と言う結果となりました。
特に女子選手の可能性は大きな関心事でした。これについては、ゴブリンズの女子選手があるシーズン、自己最高打率.355をマークし、別の女子選手がマウンドに立って4イニングを2失点に抑えた時(1対2で敗戦)、ある程度の目標が結実したと思ってます。
あと、昨今の草野球での一番のヒット作は、なんと言っても「打順全員回し」かも知れません。残念ながらこれはゴブリンズ発信ではなく、ひょっとすると、ずっと前から有ったものかも知れませんが、集まったメンバー全員が野球を楽しむ方法としては、最もいいやり方だと思います。
が、これにとても、草野球サイトのフォーラムでは、女子選手同様、ずっと批判の対象だったんですよ。
大会やリーグなど、連盟が主催するゲームは別として、これからの草野球は、新しい発想のローカルルールが成熟のカギになって行くような気がします。逆に、連盟がそれらに追随して行く可能性すら有ると思います。
・・と言うことなので、女子選手をバカにしていた男連中が、急に「プロフェッショナル吉田えり投手」に気後れしてこそこそ沈黙することは無いんです。草野球だって立派なアマチュアスポーツ、以前のように威張っていいんですよ。ただ独立リーグが女子選手を受け入れたように、草野球界ももっと心を広くしなけりゃいけませんけどね。
・・なんて、良い事ばかり書いてますが、ゴブリンズ発足当初は、チーム内の野球経験者に納得してもらうまでが、けっこう大変な作業でしたけどね。それと巨人ファン。彼らは巨人のテレビ中継で覚えた野球をマネしたがるので、非常に困りましたよ。
Commented by かのか at 2009-06-01 00:04
見識の高い内容ですね。感服いたしました。
Commented by 高橋10 at 2009-06-01 15:53
そうですか、恐縮です・・・
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