★よく、台風が来た時に、その大波を狙って無謀なサーファーが海へくり出し、遭難して周囲に大迷惑をかけるなんて話しが有ります。で、そういう奴らを見て、我々は「この大バカ者が!」なんて激怒したりしますよね。
でも最近、救急医療の医者に言わせると、
「35℃以上の猛暑日に屋外でスポーツをする者は、無謀サーファーと同じである」
と言うことになるらしいです。
しかも熱中症は、無謀サーファーより事故率が高く、死亡率も高いので、奴ら以上に「大バカ者」?だと言うことになります。なので私は、草野球チームゴブリンズの代表者として「8月は夏休み」とし、特別なケース以外は試合を組まないようにして来ました。
かつては、夏の暑さに耐えながらスポーツをすると言うのが快感だったりカッコいいと思える時代も有りました。自分も同じそう言う思いで、8月の炎天下、ローラーブレードで数日間に渡って、百数十キロの公道を滑走すると言う、無謀な?行為をしたものでした。(持参した温度計では、路面上で40℃以上になることがしばしば有りました)
で、じつは初めて「熱中症」になったのも、1994年に行ったそのブレード走行でのことでした。今にして思えば、ホントは病院にでも行って、しっかり治療しなければいけなかったのかも知れません。が、その時は、その症状が熱中症だとも知らず、道ばたで倒れて嘔吐しても、それでもまだ無謀に無謀を重ねて、路面温度40℃前後の道を一日6時間以上、丸三日間に渡って、フラフラになりながら滑り続けてしまったのです
いま考えると、ちょっとゾッとしますね。無知と言うのは怖いもんです。何しろ熱中症になったのが初めてだったし、それが「熱中症」だ言う自覚も無かったので、ひょっとしたら命を落としたかも知れない?なんて想像すら出来なかったんです。(携帯電話も無い時代でした)
次に重い熱中症になったのは、2000年の9月2日でした。この年の東京は、9月のちょうどこの日に最高気温37.9℃を記録しました。我が草野球チーム・ゴブリンズは、二子玉川の河川敷でダブルヘッダーを組んでいました。
そのころから私は、球場まで自転車で行くのが習慣になっていました。その日も自宅から球場まで自転車で向かい、往復の約4時間(距離約36km)、それと試合の3時間(猛暑のため2試合目途中終了)、つまり、計7時間も炎天下にさらされることになったのです。(おまけに二子玉川のベンチは屋根が無いんですよね)
で、案の定?、熱中症になってしまったのです。ただ、それが起こったのは、幸いにも家に帰り着いた後でした。
扉を開け、熱気のこもった部屋に入ったとたん、めまいと激しい吐き気をもよおしたのです。あわててトイレに走って嘔吐したあと、今度は異常な発汗と全身の火照りに見舞われました。なのに何故か悪寒がして、全身がガタガタと激しく震え出しました。そして部屋に戻ったあと急に頭がもうろうとして、いつの間にか気を失ってしまったのです。
やがて気がついたのですが、最初は何で倒れているのか分かりませんでした。しかし部屋がエアコンでガンガンに冷えているのを感じて、「そうか・・、オレは失神してたんだ」と、ようやく分かったんです。
かすかな記憶で、倒れる寸前にエアコンのリモコンをつかんだのは覚えていました。液晶の表示を見ると冷房が最強になっていて、その冷気が効き始めて命拾いをしたようです。でなかったら、最悪のケースになっていたかも知れません。
これらの体験から分かったことは、熱中症と言うのは突然発症すると言うことです。「なんか気持ち悪い・・」と感じてから、数分後には失神してしまいます。それまでまったくと言っていいほど予兆が無いのです。
こないだのニュースでも報道してましたが、モトクロスをしていたライダーが走行中に熱中症になり、激突して亡くなったと言う事故があったそうです。これなんかも、予兆の無い数分の出来事だったんだと思います。草野球だって同じです。5分前まで元気に笑っていたメンバーが、いきなり白目を向いて倒れるかも知れません。
残念ですが、温暖化の影響で35℃以上が連続する8月は、もはや「さわやかな夏」ではなくなってしまったようなのです。「炎天下のスポーツが快感」って言う時代はもう終わったんです。
その事実は私がニ度に渡って身をもって体験しました。そう言う体験を持つチームの代表が、炎天下での試合を推奨するわけには行かないのです。これは経験者としての責任なんです。
「35℃以上の猛暑日に屋外でスポーツをする者は、台風の日に海へ出る迷惑サーファーと同じ」
そういう自覚は常に持っていましょう。しかし試合当日、気温が35℃を越えたからと言って、雨天中止のように簡単に「本日、猛暑のため中止!」ってなわけには行かないんですけどね・・・
そういう自覚は常に持っていましょう。しかし試合当日、気温が35℃を越えたからと言って、雨天中止のように簡単に「本日、猛暑のため中止!」ってなわけには行かないんですけどね・・・
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