スキップしてメイン コンテンツに移動

イチローがたどり着いた「夢のかなう場所」

★この前「アメトーク」と言う番組で、「僕たちキャプテン翼芸人です!」ってのをやってまして、ついつい見てしまいました。そのとき面白かったのは、この漫画は世界中で翻訳され、有名なサッカー選手も子供のころから読んでいて、かなり影響を受けているらしいと言う話しでした。

子供って、こう言う風に、漫画とか映画とかに影響を受け、将来の目的を決めてしまうことがけっこう有るんですよね。頭の堅くなった親たちは、「そんなクダラナイことで自分の進路を決めていいのか!」って嘆きそうですが、しかしたとえば、いま50代前後の科学者で「鉄腕アトム」の影響を受けていない人はまずいないそうですよ。それくらい「子供の夢」と「物語」とは、密接に連動しているものなのです。

それは野球も同じだと思います。イチロー選手がメジャーに行ったばかりのころ、セーフコ・フィールドに立ち、「ここが、マイ、フィールドオブドリームスだ!」と、感慨深げに語る姿が有りました。彼もまた、映画「フィールドオブドリームス」を見ていて、少なからず影響を受けたからこそ出た言葉なのでしょう。

あの映画を観た人の多くは、ラストシーンの印象から「親と子の絆の映画」だと思っていますが、実際には「途方もない夢を実現させる」と言うのがテーマの作品でした(後に原作者WPキンセラ氏も語ってます)。だからイチロー選手があの言葉を、新しい夢に向かってセーフコ・フィールドで発したと言うのは、きわめて正しい使い方だったと言えるのです。

あの映画は1989年の日本公開なので、鈴木一朗少年は高校生だったでしょうか。「絶対にアメリカでプロの野球選手になってやる!」暗い映画館で、そんな「途方も無い夢」を見ていたのかも知れません。

あの映画に限らず、考えてみれば、1980年代から'90年代にかけてのキーワードは、「夢」だったような気がするのです。スポーツ選手だけでなく芸能人なんかでも、インタビューを受けるたびに「あきらめなければ、夢はかなう」と言うような発言を多用していた、そんな記憶があります。

ドラマでも「夢」をテーマにした傑作がたくさん放映されました。私が好きなものでは下記のようなドラマがあります。

「ライスカレー」
倉本聰作。二人の若者が、日本の安っぽいライスカレーをカナダで流行らせると言う夢を追いかけ、夢とは?、夢を実現させるとはどう言うことを問いながら、珍道中を繰り広げる物語。

「面影橋・夢いちりん」
市川森一作。(ギャラクシー月間賞受賞)。エリートとして出世した四人の男が、学生時代行きつけだった喫茶店を舞台に、ある殺人事件をきっかけにして、純朴だった学生時代のそれぞれの夢を思い起こす話し。

「夢に見た日々」
山田太一作。それぞれに崩壊した家族や人間関係の傷を背負った人々が、落ちぶれた隅田川沿いのレストランに集まり、店の再建を目指す物語。

「私が愛したウルトラセブン」
市川森一作。(放送文化基金賞受賞・第19回ドラマ番組部門奨励賞受賞)。ウルトラセブンという夢作りの舞台裏を描いたドラマ。ちょっとした流行語になった『夢見る力』とは、このドラマのサブタイトルです。

ところが、90年代の後半になり、「夜空のムコウ」という歌が大ヒットしました。その歌詞には・・

あのころの未来に僕らは立っているのかなぁ
 すべてが思うほどうまくはいかないみたいだ


・・と、夢に向かって頑張ってはみたけれど、振り返って見れば、いま自分が立っているところは、あのころ思い描いた場所では無いような気がする、と言う、少々沈んだ空気が世の中を漂い始めるのです。

そこにはやがて迎えようとする「21世紀」と言う新時代が、子供のころ想像したSFのような、華やかな未来世界では無さそうだ、という失望感も込められていたのかも知れません。

確かにノストラダムスの大予言?も起こらなかったし、「2001年宇宙の旅」のような壮大な未知の現象も起きませんでした。そんな、やや暗い時代にあって、野茂投手やイチロー選手、新庄選手などのメジャー移籍が明るい話題としてニュースになりました。

そしてあの、イチロー選手の「ここが、マイ、フィールド・オブ・ドリームスだ!」という声が聞こえて来たのです。映画が公開されてからすでに10年。誰もが忘れかけていたタイトルでした。そしてその声の響きは、「まだ夢は終わったわけじゃない」そんな風にも聞こえて来ました。

それからと言うもの、イチロー選手の大活躍が始まるわけですが、その姿に魅せられ、熱心に観戦する男がいました。フィールド・オブ・ドリームスの原作を書いた作家「WP・キンセラ氏」です。

彼は偶然にもアイオワからシアトルに移り住んでいて、イチロー選手のプレーを目の当たりにし、そして「ここが、マイ、フィールド・オブ・ドリームスだ!」という言葉をも聞くことになったのです。

それは彼にとって、ちょっとした衝撃だったのかも知れません。遠い国からやって来た名も知らぬ若者が、自分が育て上げた作品のタイトルを口にし、驚くべきプレーを連発するようになるんですから。その証拠に、やがてキンセラ氏は「マイ・フィールド・オブ・ドリームス:イチローとアメリカの物語」と言う、イチロー賛美の著書を発表することになるのです。

そしてもう一人、「ぜひイチローのプレーを生で見てみたい」と、球場を訪れた人物がいました。何とそれは、フィールド・オブ・ドリームスに主演した「ケビン・コスナー氏」でした。

そのニュース映像を見て、私は(勝手な思い込みではありますが)三人の奇妙な符合に、軽い戦慄さえ覚えたのです。かつて映画「フィールドオブドリームス」で、鈴木一朗少年を感動させたであろう二人が、今度はイチローのプレーに驚愕して球場を訪れる‥‥、それは、あまりに出来すぎた物語のように思えました。

「If you build it, he will come.(それを作れば彼はやって来る)

WP・キンセラが物語を書き、ケビン・コスナーが演じ上げた「夢の球場」に姿を現したのは、俊足で強肩、あきれるほどヒットを打つ、まるでシューレス・ジョーのような外野手「イチロー」だった・・、ついつい、そんな妄想にふけってしまったのであります。

類い稀なヒーローに感動して作家は物語を作る。その物語に夢を見た子供たちが、やがて未来のヒーローとして育って行く・・ そうやって時代は進んで行くのかも知れません。

そんなイチロー選手も今年で10年目。彼がメジャー・リーグに思い描いた夢は実現したのでしょうか。もちろんやるからには「ワールドシリーズ制覇」が目標だろうし、そう言う意味では、まだ夢の途中なんでしょうが、そのワリには、なぜか優勝を狙えるチームに移籍しないなど、疑問も残ります。

ただ、2009年に200安打の記録を達成した時の、「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています」との言葉に、ヒントが隠されている言えば、言えるのかも知れません。

もう一つ「WBC」という降って湧いたようなイベントを通して、イチロー選手の意外な面を覗いたような気はしました。それは彼の「WBC」に対する、あまりに熱すぎるこだわりようです。やや冷めた感じの「松井選手」とは対象的で、異様なまでの意気込みに見えました。

その勢い余って第一回の「WBC」では、「今後三十年は日本に手を出させない」発言が問題になりました。これはちょうど一次リーグ(アジア予選)が始まる直前だったため、世の中的には(特に韓国では)韓国チームに対する暴言と解釈されてしまいました。

でもあの時、私にはそうは聞こえなかったんです。即座に「メジャー・リーグへ殴り込みじゃ!」という意味に取りました。なぜなら、イチロー選手はかねてから「世界一を決める大会にしか興味が無い」と語り、アメリカ代表がマイナー選手ばかりのオリンピックは拒否してましたから・・ もし韓国チームをツブすのが目的なら、オリンピックでも良かったはずです。

だから、あの発言は「アメリカ人に日本野球の素晴らしさを思い知らせてやる!」と解釈する方が正しいでしょう。その手始めが、韓国を始めとするアジアの国々だったと言うことですかね。そもそも彼は「韓国」という名は一度も発してないのですから。

私が、二度のWBCを通してイチロー選手について感じたことは、彼は、我々が思っている以上に「日本人」という自我意識が強いと言うことです。アメリカに馴染んで、アメリカ人のように振る舞ってヒーローになる、と言うより、自分が活躍することによって「日本野球、どんなもんじゃい!」って思わせたい気持ちの方が強い気がします。

反対に、アメリカに馴染みたい願望が強いのは「松井選手」の方でしょう。WBCに興味を示さず、ヤンキースでのWシリーズ制覇が優先と語った姿を見ると、イチロー選手とは、どこか違う夢の見かたをしてる気がします。しかも契約の絶対条件が、「優勝を狙えるチーム」と言うことだそうで、なるほど、物静かなナイスガイというイメージの強い彼ですが、じつは、常にステータスを求めるプライド高き選手なのかも知れません。

松井選手の夢としては、常々発言している通り「チームの優勝」が一番に来るんでしょう。それも打つだけでなく守備にもついて、自分がフルに貢献した状態でないと満足出来ない、そう言う気持ちが強いんだと思います。もちろん(残念ながら)イチロー選手のような「とんでもない記録」を狙える位置にいないことも理由にはなります。

もし二人に共通点があるとすれば、個人的に思うのは「映画フィールド・オブ・ドリームス」を観て影響を受けた、最後の世代になるかも知れないと言うところです。たぶん二人が引退するころには、「フィールド・オブ・ドリームス?、・・観たこと無いですねえ。ボクは『ROOKIES』に感動して、野球選手になろうと思ったんです」なんてプロ選手が増えていると思いますよ。

そのドラマの世界では、かつてあれほど活躍した脚本家たち、山田太一さんや市川森一さん、そして倉本聰さんたちも、あまり作品を書かなくなくなりました。作家がどんどん世代交代をしているのです。同じように野球選手にも世代交代が始まります。同年代であり共に30代後半を迎えるイチロー選手、松井選手は、ドラマで言えば、いよいよ「最終章に突入」したと言うところでしょうか。

そろそろ「夢の結末」のために急がないといけませんね。二人とも過去に「50歳までやりたい」との発言をしていますが、最も良い形でプレー出来るのは、やはりこの先5年くらいでしょう。松井選手が、煮え切らないヤンキースに見切りをつけ、早々と移籍を決意したのも、そういう気持ちの表れだと思います。

とは言え、思ったより早い、年俸半減でもOKと言う、あまりにいさぎよい決断だっただけに、私はまたまたヘンな妄想を働かせてしまいましたよ。もしかすると松井選手も、あの「不思議な声」を聞いたのではないだろうかと・・

「Heal his pain.(彼の苦痛を癒せ)
「Go the distance!(最後までやり遂げろ!)

彼は今年36歳、フィールドオブドリームスの主人公「レイ・キンセラ」が、不思議な声を聞き「夢のかなう場所」へと導かれて行ったのも、36歳だったんです。




 

コメント

このブログの人気の投稿

二年前の事件の話し

★1990年のある日、僕の家に刑事が訪れました。やがて彼によって語られる事件の内容は、その後に起こる、不思議な出会いの始まりでもありました。 これは1990年に僕の周辺で実際に有った出来事です。それをその二年後の1992年に書きました。それで「二年前の・・」と言うタイトルなのです。つまりこれは、当時の記事の「再アップ」になります。念のため、筆者・高橋以外の登場人物は仮名・伏せ名にし、ショート・ストーリー風にしてあります。 * 「じつは・・、 殺しが有りましてねえ」 その男は挨拶もせず、片手で首を絞めるような仕草をして見せた。 それは、僕が久しぶりに車を洗っている時のことだった。洗い終わり、ワックスの用意をしていると、警察手帳を見せながら門を開け、彼は勝手に入って来た。本物の刑事を目にするのは小学生時代の三億円事件以来だったが、まさか今度は、「殺人事件」でやって来るとは・・ 「弟さん、いますか?」 そう聞かれて、僕は一瞬言葉を失なった。 「すみませんがねえ、ちょっと話し、聞きたいんですよ。1時間か2時間、お願い出来ませんか?」 僕は、嫌なことを想像していた。 弟?人殺し・・? だが刑事は、じっと僕の目を見たまま、それ以上喋ろうとはしなかった。そしてその視線は、僕の心の中を読み取ろうとしているかのように想えた。 解りましたと、玄関のドアを開けようとすると、刑事は後ろから、 「村下って奴が殺ったんですがね、どうやら弟さんがそいつと親しくしていたようでね」と付け加えた。 「お兄さん、何か聞いてませんか?」 「あ、いえ、何も・・」 戸惑いながらも、少しほっとしていた。 僕の弟は日産の武蔵村山工場(2001年閉鎖)に勤めている。一週間ごとに昼勤と夜勤がシフトされるのだが、今日は夜勤明けで寝ていた。勤め始めの頃は寮に入っていたが、年齢制限でつい最近追い出され、今は親元に戻って来ていた。 僕はアパート暮らしで、たまに家に置きっ放しの車を洗いに戻って来るだけなのだが、偶然にもこの日、居合わせたのだった。親は共に仕事へ出掛けていなかった。 弟を起こして刑事に紹介する時も、何故か刑事は、終始僕の表情を探っていた。僕はその様子から、刑事が弟を少なからず疑っているのだと言うことを察した。 「お兄さんもいてください」刑事は言った。 彼は身内の微妙な表情の変化を見定めようとするつもりなのだ。 し...

じつはメジャー流だった?

★朝、テレビをつけてボーッとしていたら、スポーツニュースで、新外国人選手が日本選手にメジャー流の打撃練習法を伝授した、と言うのをやってました。ボーッとしていたので、「何処のチームの誰が」と言うことはすっかり忘れてしまったのですが、その「練習法」を聞いたとたんハッとして目が覚めたほど、キャプテン高橋にはインパクトがあったのです。 それは、いわゆるロングティーの状態で、「センターより右方向へ打つ練習」なんだそうです。このフレーズ、何処かで聞いたことないですか? そうなんです。僕がいつも提唱しているゴブリンズの打撃練習法そのものだったんですよ。とは言いながら、最近はあまり耳を貸す人はいなくて、まあ、好き勝手に打ってるって状況ですが・・ これがどんな風に役立つかと言えば、「何が何でも右へ打つ」と言うことではなくて、「ポイントを引きつけることが身に付く」と言うことなんだそうです。近年、遠くへ飛ばすには、ポイントを近くして振り遅れ気味に押し込む、と言うのが主流になっています。 日本流のこれまでの「前さばき」とはまた違った流れが来ているとも言えます。特に力のある選手ほど、芯でとらえた強烈な当たりがファールになることを防いで、打率を上げることに役立つそうです。 ゴブリンズではロングティーではなくて、ハーフと呼ばれる短い距離から投げるフリーバッティングですが、ほぼ同じ効果を狙って推奨している練習方法です。 特に草野球程度の球速では、「前さばき」で打つと「いい当たり」のほとんが引っ張りのファールになってしまいます。逆に速球投手が相手のときはボテボテのサードゴロを多発します。これが貧打チームの特徴なのであります。これを防ぐには「遅いボールでも右へ打てるタイミング」を身につけることが大切なんです。 ・・あのですね。キャプテン高橋はいつも言ってますが、ゴブリンズのやってる草野球は、他のチームよりも数年先を行ってますから。みなさん、余計なこと考えず、ちゃんと付いて来てくださいよ。 ( ただ勝星が付いてこないだけなんです・・?)   

ウルトラマン・科学特捜隊の「流星ピンバッジ」

★楽天で、期間限定の500ポイントをもらいまして、そのまま期限切れで消えてしまうのも惜しいし、かと言って、ちょっと中途半端な数だし・・と考えて、これが有ったのを思い出しました。 「科学特捜隊・流星ピンバッジ」。900円なので、ポイントにちょっと足せば、ちょうどいい値段で買えます。 「初代ウルトラマン」に登場する科学特捜隊が胸に付けていて、ドラマの設定では、アンテナを伸ばせば、メンバーどうし無線通信が可能なのです。 小学生の目にはとにかくカッコ良く見えて憧れました。厚紙に絵を描いて切り抜き、胸に付けて遊んだりしたのですが、アンテナの伸び縮みだけは再現できず、余計に思いはつのりました。 ウルトラマン・科学特捜隊の「流星ピンバッジ」いま手にしても楽しいですが、あの頃にこれが有ったなら、どんなに嬉しかっただろうかと思います。 ・・そう言えば、ウルトラマンの最終回は衝撃的でした。中学1年になって、夕方の時間帯に再放送が行われると、ビデオの無いあの時代、どうしても最終回が見たくて、野球部の友人二人と練習をサボって大急ぎで帰宅したものです。そんなことも思い出しました。 バッジの裏はこんな感じになっています。洋服に刺して、生地の裏から止めるようになっています。 使い道としては、ネクタイピンにしようかなんて考えています。これまではだいたい、クーパースタウンで購入した「ベースボールバッジ」を刺してましたが、これも中々面白いと思います。(でもやはり左胸に刺さないとダメだろうか?) ふと思いついて、「ユザワヤ」で買っておいた100円のケースに入れてみました。小さなアート作品を入れるつもりの箱でしたが、こんな感じで保存するのも中々イケる気がしました。 ◎【楽天市場】ウルトラマンショップ SHOT M78  

クローン人間

★クローン人間のことが話題になると、その是非とは別に気になることがあります。キャプテン高橋は少年のころ友人たちと心霊研究をしていたことがあるのですが、そのときの知識に照らし合わせてみると、クローン人間とはどんなモノになるのか、とても興味があるのです。 まず普通の人々はクローン人間を、「肉体の DNA 的複製」とだけ考えがちですが、心霊的に見ればそれだけでは不完全で、その肉体に宿っている霊魂の方が人間の本体なのですから、霊魂まで複製しなければ完全なクローンとは言えないと言うことになります。 では、霊魂と言うのは、複製できるものなのでしょうか?  「複製」と言う概念からは外れるかも知れませんが、霊魂が分裂することはあります。たとえば一番分かりやすいのは「一卵性双生児」です。これはご存知のように、受精した一つの卵子が子宮内で二つに分かれ、二人の人間として生まれてくることですが、この時、同時に霊魂も二つに分かれます。 つまり本来一人の霊魂だったものが、二つの肉体に宿って生まれて来ると言うことになるわけで、我々が考える「クローン人間」に一番近い形と言うことになるかと思います。 逆に、複数の霊魂が合体することもあるようです。と言うより、ほとんどの人が、複数の霊魂が集まって一人の人間として生まれ変わって来ている、のだそうです。だから、一人の人間の中に、一言では表現しきれないようなたくさんの性格、性癖、本人にも分からない奥底の感情など、複雑な意識がうごめいているわけです。 ところが、その複数の人格が完全に統合されていない幼児期に、あまりにひどい虐待を受けたりすると、そのショックで統合に失敗し、人格がバラバラになったままになる「多重人格症」と言う精神病になってしまうわけです。 これは性格が入れ替わってしまうだけでなく、名前や生まれ育った場所、経験したことまで言い分けると言う特徴があります。心理学的には「創作された人格」だと言われていますが、海外では、副人格の言ったとおりの場所にその人の墓があった、なんて症例まで確認されているようです。 まあ、そんな病的ではないにしても、自分の中に、人には言えないような凶暴な性格が潜んでいて人知れず悩んでいたり、酒を飲むと突然人が変わってしまったり、それを翌朝には完全に忘れていたりなど、本来の自分ではない...

ぐんじょういろと群青領域

 ★「群青領域」、これはNHKの「ドラマ10」で放送された、心に負った深い傷のために演奏が出来なくなった、天才的な韓国人ピアニスト「キム・ジュニ」の挫折と再生の物語です。「群青領域」と言うタイトルに惹かれてちょっと覗いてみたら、最後まで見てしまいました。 ◎ NHKドラマ10「群青領域」 「ぐんじょういろ」 幼稚園の頃、初めて手にした画材「クレヨン」に、そんな名前の色が有りました。青よりもっと暗い、黒に近い青色のことでした。そして、意味も分からず、この言葉の響きだけがやけに耳に残りました。 中学生になったある日、美術の時間に、一人の女子が「あれ、ぐんじょういろの絵の具が無くなってる!」と言うと、近くにいた生徒たちが、「ぐんじょういろ?。今どき、’’ぐんじょう’’なんて言うか?!」とからかいました。 その頃になると、僕たちは濃い青のことを「紺色」と呼ぶようになっていました。「ぐんじょういろ」とは、幼稚園児のような子供が使う色のことで、あか抜けない、ダサい呼び名と言うことになっていたのです。ところが、あるとき僕は「ぐんじょう」の漢字を知ることになります。それは・・ 「群青・・、青の群れ」 なんて美しい言葉だろう、と思いました。その時から「群青」は、僕にとって特別な単語になったのです。 たとえば、村上龍氏が武蔵美在学中に「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞を受賞したときも、このブルーは「群青」に違いない、と勝手に思ったくらいでした。 なので、「群青領域」と言うタイトルを見たとき、「このドラマを見てみたい・・」、そう思いました。 主人公の「キム・ジュニ」はバンドでキーボードを担当していましたが、ある出来事に傷つき失踪します。たどり着いた場所は海辺・・。そこで「死ぬつもりはなかった。消えたかっただけ」と、海に飛び込んでしまうのです。 それを助けたのが、海で仲間を失い、やはり心に傷を負って潜れなくなった水中カメラマン「蓮(れん)」でした。 自殺か?と驚いた蓮が飛び込んで、海の底へと沈みゆくジュニに追いつき、抱きかかえた時、二人は透き通った美しい青に囲まれていました。そこが、心の大きな傷を包み込む深層世界、「群青領域」だったのです。 僕にも、もがき苦しんだ時期が有りました。このドラマを見るまですっかり忘れていたことですが・・ 僕は二浪して芸大に合格しましたが、じつは、現役...

二年前の事件の話し・異聞

*これは実際に有った話しです。そのため、文章中に登場する人物の名前は、筆者・高橋を除いて全て仮名にしてあります。・・なお、できれば前編「二年前の殺人事件の話し」から読んでいただければ、より興味深い展開になるかと思います。 ◎ 前編「 二年前の事件の話し 」 ★まず最初に、何故この話しを再アップしようと思ったか・・ (これは元々1990〜1993年の出来事で、当時すでに別の媒体で発表しています) 僕はこれまで、不思議な体験をすることが時々あって、これらを「みんなに教えたらきっと面白がるだろう」と思い、いくつかをブログに載せて来ました。ですがある時、気づいたのです。 どの話しもけっきょく「自分一人の主観」でしか無く、信じない人に「作り話でしょ?」と言われたらそれまでだと・・ そこで昔「*ゴブリンズ・レター」に載せたこの話しを思い出したのです。 これを読んでもらえれば、少しは他の「不思議な話し」にも信憑性が増すのではないだろうか・・ なぜなら、 唯一この話しには、客観的証人となりうる人物が登場するからです。それが、僕が参加していた草野球チーム「GOBLINS」に、新メンバーとしてやって来た「飯沼君」でした。 * ゴブリンズ・レターとは? 草野球チーム「GOBLINS」の会報のこと。まだネットの無い時代、メンバー間の情報交換を郵送で行ってた。その紙上に時折り高橋がエッセイなどを書くことがあり、その一つが 『二年前の殺人事件の話し』だった。 それは「二年前の殺人事件の話し」を*ゴブリンズ・レター紙上に書いて間もなくのこと。ある日曜日にかかって来た、ゴブリンズ飯沼君の電話から始まります・・ * 昼食後、坂を下って行くと、キャプテン高橋は豆腐屋のお爺さんに、 「それ(ローラー・ブレード)は何ですか?」 と捕まった。色々説明して、最後に、 「鴨川まで行きます」と言うと、 「鴨川?、じゃあもう、じきです。お気をつけて」 と丁寧にお辞儀をされた。有り難う。お元気で長生きしてください。一期一会、袖擦り会うも他生の縁。 飯沼君とは何の因果か解りません 。   これは1992年の夏、ゴブリンズ・レターに書いた、『 千葉-鴨川ブレード走行記 』の中の一説である。このとき僕は、ある不思議な感覚の中にいた。 『なぜオレは、今コイツと一緒にいるんだ?』 年齢は一回りも違う。野球要員としてメンバーが会...

iPodはソニーの製品ではない‥‥

★スケルトンの iMac が出た数年前からですが、キャプテン高橋の頭の中では、「 Apple 」が「 Sony 」であるかのような錯覚が起ってまして、それは「 iPod 」の出現によって確実なものになりました。「あっ、これは昔のソニーだ」と・・ iPod みたいなものって、以前ならソニーが一番最初に作ってたはずなんじゃないですか? 最近、アイデアの魅力や独創性と言う点で、 Apple に負けてるような気がします。もちろんソニーも独創性を狙っているんでしょうが、狙いすぎて孤立しちゃってますね。 まあウォークマン発祥の地はソニーなので、 Apple の iPod は所詮二番煎じだと言う見方も出来ますが、 iPod と言うのはウォークマンに比べて音がいいんですよ。イコライザー機能が付いていることが大きいと思うのですが、この音の良さ、快感は、ソニーを使用していた頃には味わえなかったものなんです。 今では、 Apple 以外にも HD タイプの携帯プレイヤーを出してるメーカーがありますが、問題は容量やバッテリー耐久性じゃなく、音質ですね。どこまで音質を重要視してるかで決まってくると思います。 ただ不思議なんですが、 iPod を、オーディオ装置やカーステレオに直接つないで聴くと、ひどい音になってしまうんです。聴くに耐えないんですね。やっぱり「 mp3 」や「 AAC 」とかの圧縮フォーマットはヘッドホン用にしか向かないんだろうか、と思ったんですが、しかしこれを、 CD-R に焼いてオーディオ装置にかけると、低音がややぼやけるものの、けっこう「いい音」で鳴るんです。 で、これは、ウチはちょっといい DENON の CD プレイヤーを使ってるんですが、このプレイヤーの性能が引き出しているんだろうか、などと考えたり・・、まあ、オーディオ装置で聴くなら、普通に CD で聴けばいいんですけどね。 ところで、「 iPod shuffle 」と言う 512MB 〜 1GB のものが出まして、これは軽くて小さくてブレード走行に良さそうですね。・・ちょっと狙ってます。当分は予約待ちのようですが、ゴールデンウィーク近くになれば在庫が有る状況になるかも知れません。      

映画「ふしぎな岬の物語」の「岬」に行ったことがある

 ★今年の秋「ふしぎな岬の物語」と言う映画が公開されるそうです。原作は森沢昭夫氏の小説「虹の岬の喫茶店」。主演でもある吉永小百合さんが、監督と共に初めて企画にも参加されたんだそうです。 ◎原作小説「虹の岬の喫茶店」 (この記事アップ後、カナダの第38回モントリオール世界映画祭で、「ふしぎな岬の物語」は、最高賞のグランプリに次ぐ審査員特別グランプリと、エキュメニカル審査員賞を受賞しました。おめでとうございます) *その他の資料リンク ◎「音楽と珈琲の店 岬」ちば観光ナビ ◎「三浦半島デジカメ便り」音楽と珈琲の店「岬」(火事焼失前) ◎「三浦半島デジカメ便り」再建後の「岬」写真 (他人のブログリンクですみません) じつはこの映画に出て来る「岬」と言う喫茶店は、千葉県の東京湾側、明鐘岬に実在するのです。つまり実在する喫茶店と実在する人物をモデルに描かれた小説、その映画化と言うことになります。 そして過去に僕は(僕たちは)ブレード隊、つまりインラインスケート長距離走行チームとして、休憩のために、この「岬」を訪れているのです。二人連れで一回と、単独走行で一回の計二回。で、その時のことを僕が書いた走行記が二つあるので、紹介しておきたいと想うのです。 一つは1992年に二人連れで、四日かけて鴨川までの162.2kmを滑った、 「 南房総に夏の終わりの夢を見た 」 二つめは1994年、途中の白浜127.4km地点でリタイアした単独走行、 「 幻のBOSO100マイル 」 原作小説の作者、森沢氏が、初めて「岬」を訪れたのが2008年頃とのことですから、我々が行ったのはそれよりもずっと前、 ざっと20年ほど前の出来事ということになります。 「幻のBOSO100マイル」では、その年の8月に、突如35℃越えの酷暑日が何日も続きまして、無謀にもその炎天下を数十キロ滑って、熱中症と想われる症状に見舞われ、途中リタイアしてしまったのです。 いまにして想えば、あれが、温暖化の影響による「異常に暑い夏」の始まりだったと言う気がしてならないのですが、もちろんあの時は自分が「熱中症」にやられていると言うことさえ気付きませんでした。何しろ「温暖化」や「熱中症」という言葉さえ、まだ一般には浸透していない時代でしたから。 そんなにまでして、なぜ真夏にやったのか?と言うと、「一番暑い日にやり遂げないと負...

3「今ごろ?''facebook''を始めてみた」

前回までのお話し →  2「どっこい、夢はまだ続いていた・・」 Index 「意味のある偶然の一致 20.7~22.4」 ★2021年の12月、急に「facebook」を始めることになりました・・ 2004年に立ち上げられたと言われる「facebook」ですが、話題になった当初からずっと関心が無く・・、って言うより、どっちかと言うと避けて来たはずなのに、どう言うわけか、とうとう始めることになってしまったんです。 今回はその理由について、簡単に書いてみたいと思います。 じつは、僕は、十代のころ、ずっと強迫神経症に悩まされて来ました。次から次へと、主な神経症のほとんどを経験したのかも知れません。 中でも「群衆恐怖症・閉所恐怖症」が特に酷く、その後遺症とでも言うのでしょうか、今でも「人混みが苦手・閉じた空間が苦手」が少し残っているのです。で、「facebook」及び「SNS」と言うものを知った時(普通の人には理解できないと思いますが)僕は「軽い恐怖」を感じたのです。 アカウントを作らなければ中に入ることが出来ない・・ 外から中の様子を探ることさえ出来ない・・ 初めから開かれているブログなどとは全く違う、この、他を寄せ付けない閉ざされた世界は、僕にとって「閉所恐怖症」をフラッシュバックさせるに十分でした。 さらに日本での普及率ですが、2020年調べで、「facebook」利用率は、インターネット利用者の内の「約34%」でしか無いのです(最高時は約40%)。これも不安要素でした。利用率がたとえば「LINE」のように80%を越えていれば、ある程度解放感もあるのですが、34%と言う低さは、より「閉鎖世界」の印象を強くしてしまいました。 そしてもう一つ、「facebookは成功者のツールである」と言う説。これはあるIT評論家のコラムからですが、一時、時代の寵児と騒がれたあるIT起業家が、事業に失敗して電話もメールも断ち、消息不明になってしまったと言う話し・・ が、人格が素晴らしく尊敬できる人物だったので、 IT評論家は「ぜひ、もう一度いっしょに仕事がしたい!」と、探し回ったのだそうです。 で、ふと、とにかく新し物好きだった彼なら、当時発表されたばかりの「facebook」に絶対飛びつくはず、facebookで彼を見つけ、事業再建の後押しがしたいと、来る日も来る日も探したそう...

自転車のライトにLED10連発!

★ホームセンター「ビッグサム新座店」で手ごろなライトを見つけました。LED5発でしかも安い!「税込み¥980」でした。自転車用でLED5発だと¥3000以上すると思います。 いわゆる「懐中電灯」なのですが、うまくすれば自転車にも使えそうです。メーカーは「マクサー電機」と言うところで、残念ながらあまり聞いたことは有りません。が、分解してみたところ作りはけっこうしっかりしていました。 ボディはいっぱしのアルミ製、ゴムのパッキンが付いていて、生意気にも生活防水になっているようです。レンズが集光ではなく普通の透明アクリルで、光が初期LEDの青白い色と言うのが今イチなのですが、それでも5連発はそれなりの明るさがあります。 それと自転車専用でないと振動に弱いものですが、叩いたり落としたりしてみたところ振動にも強そうです。 ◆マクサー電機 じつは、自転車のライトにはみんな苦労してまして「明るくて電池の寿命が長い理想的なライト」を求めて、何個も買い替えると言う人が多いんです。それだけ自転車で長距離を走る人にとって「安全確保」と言うのは重要な課題なんですね。 世の中には無灯火で走る人も多いですが、あれはまったく理解できない話しです。できるならオートバイみたいに明るいライトが欲しい!って考えているくらいなんですから。 で、僕 は思い立ちました。「このマクサーライトはそこそこ明るいし振動にも強い、しかも安い! ならばもう一本買って、ダブルマクサーライトLED10連発!にしてみようではないか!!」と・・ それがこれです。自転車用ではないので取り付けるホルダーがありません。そこでベルクロテープを使う「バイクライトホルダー」2個を購入し、それで固定してみました。ちょっと外観は野暮ったい感じですが、明るさは段違いに良くなりました。 「見た目よりも安全確保」がスローガンですから、これはこれでいいと思います。ただ付けっぱなしにしておくと盗難やイタズラの対象になりそうなので、普段は普通のライトで、ゴブリンズのナイターの帰りとか、ここぞと言う場面に取り付けて使用することにしましょう。 かかった費用。 ライト代 :980×2=1960 ホルダー代:525×2=1050 送料   :200 合計   :3210