スキップしてメイン コンテンツに移動

伝説の強打者

★本日、「イチロー日米通算3000安打達成」の瞬間を、BS中継で見ました。レンジャース戦の一打席目でした。それを記念して?以前まだブログでは無い頃に書いたゴブメッセージの1つ、「伝説の強打者」を再録することにしました。

なお、以下はイチロー選手が入団して初めてのシーズン、2001年終盤の頃の内容であり、古い記述がいくつも出て来ますので、カン違いの無いように読んください。

*検証1:1995年の1年間カナダを放浪していて、日本でのイチローの大活躍を知らずにいたN君。帰国後、オリックス時代のイチローのプレーを見て言った。「イチローのどこがそんな凄いんですか?」

*検証2:イチロー選手がポスティングシステムでの移籍を宣言したとき、清原、江藤、マルチネスと、あれほど熱心にスター選手集めをしていた巨人が、何故かまったく触手を伸ばさず、いとも簡単に見送りにしてしまったのはどうして?

*検証3:当時のマリナーズ・ピネラ監督は、入団後初のオープン戦でのイチロー選手の打撃を見て、「なかなか引っ張りのパワフルな打撃を見せてくれない」と、不満を漏らしていた。

*検証4:関口宏のサンデーモーニングで、スポーツご意見番として登場している張本勲氏。たとえ、イチロー選手がメジャーで高打率をマークしても、連続試合安打の記録更新中でも、決して「あっぱれ!」とは言わない。それどころか、何故か評価はいつも「喝!」。その理由は?「当たりそこないが多いから」

これらはいずれも、イチロー選手を「ある印象」によって評価したものです。それは恐らく日本人誰もが感じていた「疑問」に近いものかも知れません。特に張本氏の「当たりそこないが多いから」という言葉が象徴的だと想います。つまり、これまで常識的に考えられて来た「ヒット」と言うもののイメージから来る「違和感」なのです。

常にバットの真芯でボールをとらえ、強烈なライナーで、外野、あるいはフェンス越えの長打を放つ。そう言う打撃こそ「強打者の明かし」であって、イチロー選手のように、当たりそこねを足の速さでヒットにするような打ち方は、完璧な打撃とは言えない・・

草野球でも、ボテボテの内野安打とか、野手の間に落ちるポテンヒットなどには、「ラッキーヒットだ、ピッチャー勝ってるよ!」などと投手を励ましたりします。同様に、逆方向の当たりに対しては、「振り遅れだ!バッターおされてる!」として、バッターの敗北を強調したりするのです。

ですから、イチロー選手がマリナーズでプレーを始めた当初、多くの日本人ファンは「息苦しいような気持ち」で彼の打撃を見ていたに違いありません。「もっと強烈な、快心の当たりを打って欲しい」と。つまりイチロー選手の打球は、確かに記録上はヒットであるけれど、まだまだ振り遅れの「敗北の打球」として、日本人の目には映っていたのです。

それに比べて、同じ頃メジャー入りしていたシンジョー選手は、伸び伸びしていて気持ちよく、何より打球がスカッと飛ぶのが人々の心をとらえました。「シンジョーの方が、アメリカ野球に向いているんじゃないのか?」そんな声を聞くことも多かったのです。

ところが、ヒットの3分の1を「当たりそこね」で稼いでいたイチロー選手に、なぜかメジャー投手の激しい内角攻めが始まるのです。時にそれは彼の背中を直激し、幾度かバッターボックスの中でうずくまることもありました。それは正に、新顔の強打者に対する洗礼そのものでした。

そんな攻撃をかいくぐって、やがてイチロー選手の驚異的な連続試合安打が始まると、興奮した観客たちは、立ち上がってイチローコールを始めるようになりました。イチロー選手は、その声援に後押しされるように首位打者に躍り出て、そして何と、オールスターゲームでのファン投票1位と言う快挙まで成し遂げてしまうのです。

その様子を逐一テレビで見ていた日本人は、大きな喜びと同時に、ちょっと驚きも感じていました。「イチローってそんなに凄かったの?」と。そして戸惑いながらも、少しずつ、「・・なるほど、こう言う打撃でもいいのかも知れない」と想うようになって行ったのです。

そもそも野球では、打っただけではヒットになりません。フェンス直撃弾を放っても、走らずボーッとしていたら、返球されてアウトになってしまいます。当たり前の話しですが、打ったあと「野手の送球よりも速くベースにたどり着く」ことによって、ヒットが生まれるのです。

つまり「ヒット」とは、「打つこと」と「走ること」の二つをやり遂げて、初めて成立するものだと言うことです。ですから、どんなボテボテの内野ゴロでも、ボールより速く走れば「完璧なヒット」。逆に、どんなに強烈なライナーを飛ばしても、野手に捕られたら「単なる凡打」、そのことに尽きるのです。

イチロー選手は日本にいるころから、その考えに徹していました。「あとコンマ何秒か速く走れたら、ヒットが数十本増えるはずだ」として、陸上のコーチを訪ね、走るフォームの改造に取り組んだのは有名な話しです。

さらにスパイクについても、メーカーに徹底的な軽量化を要求したと言います。(近年、パンツをロングからストッキングが見えるスタイルにしたのも、風の抵抗を少なくするためだと言います)

つまり彼にとって野球とは、「投げる・打つ・捕る・走る」と言う、あらゆる身体能力を駆使して挑む総合的なスポーツであり、中でも「足の速さ」は、非常に重要な位置を占めていると言うことなのです。いや、それどころか、ひょっとするとイチロー選手は、ある極論に達しているのかも知れません。

「打撃とは、走るための時間かせぎに過ぎない」

どうも彼のプレーを見ていると、そこまで考えているような気がしてなりません。どんな打球を飛ばすかと言うことについては、あまり興味が無いように見受けられるのです。

そうして夏を迎え、実力の無い者には投票しないはずのアメリカの野球ファンが、オールスターNO.1に選んだのは、ボテボテの内野安打を量産する「イチロー選手」でした。その快挙を成し遂げた日、彼は、いみじくもこんな言い方で自分の気持ちを表現しています。

「アメリカの野球ファンは、とても野球が好きで、野球と言うものをよく知っている。そう言う人々に選ばれたことを誇りに想います」


*検証1その後:「イチローのどこがそんなに凄いんですか?」と言っていたN君。今では、草野球での自分の外野からの送球を「レーザービーム!」と称して投げるようになった。

*検証2その後:ホームラン打者狩りしていたはずの巨人のWオーナーは、「オリックスがぼんやりしてるからイチローをアメリカにとられちまうんだ」と怒鳴り散らしたとか。

*検証3その後:ピネラ監督は、イチロー選手が21打席ノーヒットの後、レフト前へどん詰まりのポテンヒットを打ったのを見て、「やっとイチローらしい当たりが出たな。もう大丈夫だろう」とコメント。

*検証4その後:サンデーモーニングのスポーツご意見番、張本氏は、「私は、走り打ちは好きではないんですが、こうなったら首位打者を狙ってもらいたいですね」と、トーンダウン・・

アメリカでは「ベーブ・ルース」の登場以来、ホームランバッター、パワーヒッターが野球の主役となりました。関係者はこぞって野球用具の改良に力を注ぎ、飛ぶボール、反発力の強いバットの開発で選手にホームランを量産させました。そう言う野球をすることが、観客を集めることにつながるとヤッキになって来たのです。

イチロー選手の打撃スタイルは、その流れに逆行するかのように想えました。が、人々の目には、むしろ新鮮で衝撃的に映ったのかも知れません。

そのイチロー選手、今一番の話題と言えば、新人の最多安打記録223本を抜くかどうかと言うところですが、ここへ来て、実は元ホワイトソックスの「ジョー・ジャクソン(シューレス・ジョー)」がインディアンス時代の1911年にマークした233本が真の記録だ、と言う説がにわかに浮上して来たらしいです。

彼は八百長容疑で球界を追放されているので、公式の記録ではないはずなんですが、シューレス・ジョーまで引き合いに出してしまうところが、またイチロー選手の凄さなんでしょうか。

同時に、ふと想いました。ベーブ・ルース以前のアメリカには、俊足・好打・強肩を武器とする選手がたくさんいたと言います。その中でもシューレス・ジョーは飛び抜けていて、その守備の素晴らしさは、「彼のグラブの中で三塁打が死ぬ」と言い伝えられたほどでした。

同じ左バッターで同じ外野手、俊足で強肩、あきれるほどのヒット数・・

伝説の名選手「シューレス・ジョー」が、今の時代に活躍していたなら、もしかするとそれは「イチロー」のような選手だったのではないか、そんな空想もしてしまうのです。



  

コメント

このブログの人気の投稿

ショウヘイ・オオタニとロイ・ハブス

★今や、大谷翔平選手は、歴史を塗り替える大活躍! エンゼルス以外のMLB各球団は、2017年の「ショウヘイ・オオタニ争奪戦失敗」で、今更のように地団駄を踏んでいるそうです。シアトル・マリナーズもその一つで、ジェリー・ディポトGMは、当時、大谷選手のことを「ロイ・ハブス」と呼び「全力で獲りに行く!」と豪語していたそうです。 「ロイ・ハブス」とは?。 1984年公開の傑作野球映画「ナチュラル」の主人公の名前です。演じたのは ロバート・レッドフォード。で、そのヒーローを彷彿とさせると言うことで、オオタニ獲得のプロジェクトネーム、隠語で「ロイ・ハブス」と呼んでいたと言うことでしょうか。 なるほど、ロイ・ハブスは、映画ではピッチャーでもバッターでも行ける天才野球選手との設定で、僕も一瞬?ですが、「大谷くんはロイ・ハブスみたいだな」と思ったことは有りました。ただロイは、プロ入り直前に殺人未遂事件に巻き込まれ、一度はプロ入りを断念する悲運の天才でもあったので、大谷くんと重ねるのは「う〜む?」と思ったことも確かでした。 とは言え、僕にとって「ナチュラル」は、「フィールド・オブ・ドリームス 」「プリティ・リーグ」と並ぶ三大傑作野球映画なので、公開から30年以上過ぎた今も、「ロイ・ハブス」の名が、天才野球選手を象徴する言葉として使われていることに、嬉しさを感じたりもしたのです。 日本では、何かのヒット映画と抱き合わせで購入された作品で、公開された劇場もたった二館、すぐ終了する予定だったそうです。それが「面白い」と評判になり、宣伝広告も無し、人々のクチコミだけでロングラン大ヒットとなった、異色の野球映画だったんです。僕もその二館のウチのひとつで見ました。 ただし、今の若い人にとって「クチコミ」とは、TwitterなどSNSのことだそうで、ネットもスマホも無いあの時代、「クチコミ」が人から人への噂話しのことで、「口頭によるコミュニケーション」、略して「口コミ」とは到底「ありえない!」って事らしいですね。 それくらい映画「ナチュラル」には、物語としての「パワー」があったのだと思います。ちなみに、監督は「レインマン」で数々の受賞をした、バリー・レビンソン監督。 * 「ナチュラル」序盤のあらすじ * 1950年代?。片田舎の農場に生まれ育ったロイ・ハブスは、19歳の時、老スカウトにピッチャーの才...

「まゆゆ」引退・・

 ★「今ごろかよ!」って言われそうですが、元AKBの神セブンと呼ばれた一人、渡辺麻友さんが芸能界を引退しました。 昨年(2020)のことです。しかし、芸能界では大物タレントのコロナ死や自殺など、衝撃的なニュースが相次ぎ、ファン以外ではそれほど?話題にならなかったような気がします。しかし僕にとってはちょっと興味深い存在だったので、少し書いておこうかと思いました。 単刀直入に言うと、「音楽の価値観を一変させられた?」とでも言いましょうか、彼女が歌った一曲に、これまで培って来た音楽の感性を一撃で破壊されてしまった、そんな存在だったのです。(大袈裟か・・) かく言う僕は、もともと若い頃はアイドルと言うモノには興味がありませんでした。自分で言うのもナンですが、変わり者だったし、多少歌にも自信があったので、当時のヘタウマアイドル歌手はどうでもいい、と言うのが本音でした。 世間では「歌のうまいアイドル」として評判だった「松田聖子さん」でさえ、僕が聴いた限りでは微妙に音を外していて、それが気になってダメだったのです。 周囲の人たちは、その「説」を信じませんでしたが、彼女がアメリカ進出を試みた時、向こうのプロデューサーから「音程が外れている。このままだとアメリカでは通用しない」と、長期間のレッスンを受ける予定との芸能ニュースを見た時、ひとり「ほらね!」と思ったものでした。(ただし、帰国後は素晴らしい歌手に変貌していましたよ、念のため) では、そんなだった僕を、還暦近くなって、一変させてしまった一曲とは何かと言うと、「まゆゆ」が歌う、その名も「麻友のために」でした。 どうですか?。声質は典型的な舌足らずの「アイドル系ガールボイス」で、一見ヘタそうに聴こえるのですが、注意して聴くと、しっかり音を外さずに歌い切ってることが分かるのです。しかもサビの部分、低音からいきなり高音に飛ぶ高低差の激しい曲にもかかわらず、後半になってもしっかり音程を保ち続けている・・  かつてのアイドル嫌いの僕は、「AKB48」と言うのは、とりあえず可愛い女の子をたくさん集めて、一度に大勢で歌わせれば歌のマズさはごまかせるってやり方だ、と思っていました。なので、これを聴いた時、「あれっ?」と思ったんです。 「ちょっとこれ、ホントは、歌の上手い女の子なんじゃないの?」と興味が湧いたんです。音程があまりにフラット...

SakuSaku(サクサク)

★「 SakuSaku 」とは、 TVK (テレビ神奈川)のローカル MTV 番組のことです。増田ジゴロウと名乗るぬいぐるみキャラクターと、シーズンごとに進行アシスタントの女の子を代えながら、もう 10 年以上続いているんじゃないですかね。 時間帯が早く、月〜金の朝 7:30 〜 8:00 くらいにやってます。なので、普通の学生や勤め人はあまり見れないのですが、再放送も随時やってるので、それで見る人も多いみたいです。 僕は、何故かこの、ちょっとバカバカしい感じが好きでよく見ています。司会の増田ジゴロウの声役の男が三鷹出身らしく、「田無タワー(ローカル FM などの電波塔で、僕のウチから数百メートルの場所にある)」の話しとか、そんなくだらない話題が出てくるところも面白いですね。 で、さらにこの番組の面白いところは、無名のゲストなどが呼ばれて出演すると、その後、どんどん売れて行ってしまうと言うところですね。最近売り出し中の木村カエラさんもその一人で、セブンティーンのモデルをやっていた関係で、番組のアシスタント役に抜擢され、その後あれよと言う間にメジャーになってしまいました。 あとは「一青窈さん」とか「クリスタルケイさん」とかもそんな感じで、この番組に出るようになったあとで有名になったってケースなんです。 何故なのか?。じつは時間帯が早いことから、徹夜明けの芸能人や CM ディレクター、テレビプロデューサーなどがけっこう見ているらしいのです。つまり芸能関係者の「アンテナ番組」になっているフシが有るのです。 だから、この番組を楽しみに見ている身としては、売れて行く過程を目の当たりにして、「へー・・」と感慨深く感じてしまうので、見てない人に対して、「彼ら(彼女ら)は、こういう所で頑張ってたんですよ、ここから有名になったんですよ」と、ついつい教えたくなってしまうのです。 そう言えば、テレビ埼玉か何かで、極楽とんぼがローカルのロケ番組に出てまして、「こんなに売れても、こう言うのに出るのか」と思って見ていたら、一緒に出ていたアイドル志望みたいな無名な女の子が、ロケに疲れたらしく、ふて腐れてリアクションしなくなっちゃたんです。 そうしたら、その子に極楽とんぼが「お前なあ、こう言う番組ちゃんとやらないとダメなんだぞ!」と、突っ込...

1「土手の上で、夢の中の約束」

★ Index 「意味のある偶然の一致 20.7~22.4」 2021年の春頃、 僕は一つの夢を見ます。ほぼ忘れかけていた人の夢と言 う、何の変哲もない出来事のはずでした。しかしそれは、その後、約一年間に渡って続く、「少し不思議な巡り合わせ」の、始まりの夢だったのです。 * ・・そこは何処かの土手で、芝生で覆われたなだらかな地面の上に、男女数人で座っています。僕の左隣りには小柄な若い女性が座っていて、まるで独り言のように話しかけて来るのです。 「あたしいま、風俗で働いてるの」 その言葉に、 僕は少なからずショックを受けていて、すぐには返事ができません。大学の学費を親に頼らず、全部バイトで稼ぐと言っていた彼女ですが、そこまでして・・とは思いませんでした。 返事が出来ず思いを巡らしていると、次に彼女はこんなことを言いました。 「歯が抜ける女の子はキライですか?」 その声に口元を見ると、あちこち抜けてしまった歯茎が見えていました。僕は愕然としながらも、それを悟られまいと明るく、 「だいじょうぶ。インプラントと言う手もあるよ」 と言いました。 僕の右隣りの女性も「そうそう、インプラント」と言ってくれて、それを聞いた僕は少し落ち着きを取り戻します。 何処か体が悪いんじゃないのか?と思ってもう一度見ると、 彼女は やはり顔色が悪いのです。おまけに 痩せていて、とにかく見すぼらしいのです。僕が覚えている 、明るく健康で弾けるような若さの彼女ではなくなっていました。 しかし・・ 「でも、だいじょうぶ、オレはずっと変わらないから」 そう言い切ってしまうと、さっきまでの動揺がウソのように晴れやかな気持ちになっていました。 ここまでに至る、彼女との出来事を思い出していたのです。美術大学で初めて言葉を交わした日・・、ローラー・スケートが共通の趣味だと分かった日・・、それから・・ 「オレはずっと変わらない」 僕の言葉が届いたのかどうか・・、 彼女はスッと立ち上がると、 「もう行かなくちゃ」と、 夕暮れ迫る土手の上を、小走りで何処かへ行って しまったのです。 ・・と、そこで目が覚めました。夢だったんです。 さらに 少しずつ意識がハッキリして来ると、その夢の中の彼女が、もうこの世にはいない人なのだと言うことも思い出していました。今からざっと37年 前、27歳 の若 さで亡くなってしまった人なので...

キツネの嫁入り

★そろそろ夏も近づいて来たので、不思議な話しをひとつ。 以前このブログにも書いたのですが、私の母親は昭和初期に生まれ、秋田県の山奥で育ちました。その村では、幼いころ何度も怪異現象に遭遇したそうです。これもそのひとつです。 ある日の夕方、薄暗くなった田んぼのすぐ近くで遊んでいると、少し離れた農道を、長い提灯行列がゆっくりと歩いていたそうです。夕暮れでシルエットもハッキリしないのですが、ゆらゆらとした不思議な提灯の明かりに目を奪われ、ついつい見とれていたそうなのです。 不思議なのは、茂みや小屋の後ろを通るときです。普通なら、物陰を通り過ぎるときは、その距離の分だけ時間がかかって出てくるわけですが、その行列は、なぜか物陰に入った次の瞬間、スッと反対側から顔を出すと言うのです。その奇妙な動きにも気持ちを奪われ、時間の経つのも忘れて、ぼんやり見続けていたそうです。 ところが、何かの拍子にハッと我に返って、急に恐くなった当時の母親は、あわてて家にかけ戻り、家の者たちにそのことを話しました。すると祖父が「そりゃあ、キツネの嫁入りだべ」と言い、気をつけるようにと戒めたそうです。 つまり、本当はその提灯行列は幻で、見ている者のすぐ近くにキツネが隠れていて、化かしているのだと言うのです。そして夢遊病のように行列の後について行って沼にハマったり、そのまま神隠しに遭うこともあるのだと、おどかされたと言います。 なお、大勢の人が提灯を持って練り歩く行く行事は、その村には無かったそうです。念のため・・ 関連記事 ◎ もののけCM    

年賀状のホントの意味

 ★今年もまた年賀状の用意をする季節となりました。最近はLINEだのメールだのがあるので、わざわざ紙のハガキに書いて出す、なんて面倒がる人も多いようです。かく言う僕も、友人知人からは、どちらかと言えば「あまり年賀状を出さない人間」として見られているかも知れません。 しかしですね、じつは、自分にはある信念?のようなモノがあって、そうなっているのです。「年賀状とは、遠く離れた友人どうしが、年に一度手紙を出し、互いの消息を確かめ合う」これが、年賀状の始まりなのだそうなのです。僕はこの本来の役割のために年賀状を出したいと思っているのです。 なかなか会う機会も無くなった古い友人同士が、一枚のハガキを頼りに互いの消息を確かめ合い、新しい年の健康を祈る、それが年賀状の本来の役割りなんです。 ところが現状はどうでしょう。いつでも(ひょっとしたら毎日?)顔を会わせる人ばかりが年賀状をやり取りし、遠く離れた人に対しては、「会わなくなってもう三年になるから、そろそろ出さなくてもいいかなあ」などと、フェードアウトで知らんぷり、ってのが実情ではないでしょうか。 へそ曲がりの僕はこれに反発したかったのです。現在進行中の友人知人よりも、むしろ離れて縁遠くなった人にこそ年賀状を出そう!。そんな「年賀状本来の使用法」に則って行動したかったのです。 しかしながら、これはウマく行きませんでした。親しい人からは筆不精だと思われ、縁遠くなった人からは「忘れたころに突如舞い込んだ年賀状」に戸惑ったような返信が届いたり・・。そのビックリしたようなコメントを読み、何か迷惑をかけたような心境になって、次からはつい遠慮してしまうのです。 現代社会においては、年賀状本来の姿を復活させることは困難なのだと言うことを思い知らされました。で、結果として僕は、はたから見れば「あまり年賀状を出さない人間」になってしまったのです。 もともと僕は「絵描き」の端くれなのですが、そういう芸術家気質の人間のやることは、なかなか世の中に受け入れられないモノではありますね。僕の場合「物事の原初を大事にする」と言う信念、気質がありまして、それが行動の根本になっていることが多いのです。 この間テレビで、ラグビー日本代表監督として大躍進させた「エディ・ジョーンズ氏」が、大勢のラグビー関係者の前で講義をしている場面に出くわしました。そこに出席...

冷むぎ2008年夏分を買った

★もうすぐ「そば」や「冷むぎ」が美味しい季節になりますが、ウチではこれが定番ですね。 ずっと前、知り合いから分けてもらって食べたらとても美味しくて、毎夏、箱で買ってます。今年も注文したのが届きました。 山形の小さな(たぶん?)製麺所で、インターネットで調べても連絡先が分かる程度のお店なんですが、モノはいいと思います。 これを口にしてから他の有名な麺でも食べる気にならなくなりました。喉ごしがいいんです。滑らかでコシが有って粉っぽさがありません。 今は世の中的には「そうめん」の方が人気があるみたいですが、そうめんはあのプチプチ感がちょっと苦手で、やっぱり「冷むぎ」の方が好きですね。 ただ「そうめん人気」がこの製麺所にも影響したみたいで、2、3年前、麺がそうめんに似せてやや細めなってしまったんです。あの時はショックで、他の麺に替えようと思ったんですが、けっきょくこの麺以上に美味しい麺は見つかりませんでした。 まあ、ゆで上がりが早いし、ツユも絡みやすいので、これはこれでいいのかな、なんて思ってます。一輪¥200。食べ比べの好きな人はどうぞ。(「高級めん」と言う品名がダイレクトすぎてちょっと、ですが) 佐藤製麺所・山形県天童市大字寺津313-2 TEL・FAX:023-653-4590‎ その製麺所で「そば」も有ると言うので、今回試しに買ってみました。でも、別の製麺所が作っているものを委託販売しているみたいですね。 こちらはインターネットでも売られているし、そこそこ名の知れたモノみたいです。 これも美味しいです。乾麺と言うと、どうしてもボソボソと粉っぽくなりがちなのですが、これは乾麺とは思えない生麺に近いつるつるの舌触りに仕上がりますね。 値段がこちらも一輪¥200と、量からすると少し高めなんですが、それだけの価値は有ると思います。 どうもウチは「山形県産」の麺が性に合ってるようなんですが、じつは両親が秋田県出身で、秋田と言えば「稲庭うどん」なんですけどね・・。ダメなんです。「美味しんぼ」なんかで「最高のうどん」なんて紹介されて、喜んだ地元の親戚がたくさん送ってくれたのですが、どうしても馴染めませんでした。 あれはちょっと滑らか過ぎます。「つるつる」と言うよりは「ぬるぬる」していて、喉越しの手応えと言うか、「喉応え」が無いんですね。でも、そんなことを言ったら親戚がガッカリす...

新軟球、最安?

★近所のホームセンター「ケーヨーD2」にて、新軟球を買って来ました。値段は二個セットで¥ 998 (税込み)でした。たぶん今のところ一番安い部類に入るのではないかと思います。これはナガセケンコー製ですが、違うメーカーのが一個入りで売ってました。 ウチからほんの 200m くらいのところにあるので、今後ずっと取り扱ってくれたら、急に必要になった時の購入がすごく楽なのですが、どうですかね。今まで軟球は扱ってませんでしたから・・。当然売り上げがあれば扱う、と言うことでしょうから、少しは買っておくことにしますか。 今までで一番軟球が安かったのは吉祥寺のショップですが、今日見に行ってみたら、「商品リニューアルのため 9/20 以降入荷の予定です」と書いた張り紙がしてあり、その下に値札が「¥ 380 」のまま付いていました。 再入荷することは確かなようですが、値段はどうでしょう?。¥ 380 のままなら断然ここでの購入をメインにしたいと思います。 ショップ名はあえて伏せておくことにします。ここはバラ売りが主の小さな店舗なので、これを読んで「大金にモノを言わせての強引な買い占め」に走るチームがいると困りますからね。   

映画ナチュラル

★今日の昼間、テレビ東京で映画「ナチュラル」をやってまして、かなりカットされて中途半端なものになってはいたのですが、つい見てしまいました。やはり良く出来た野球映画ですね。 僕が傑作と思っている三大野球映画は、「ナチュラル」「フィールド・オブ・ドリームス」「プリティー・リーグ」なんですが、このナチュラルは 1984 年8月公開と言うことで、もう 20 年が過ぎたことになるのです。 あの当時、まだ渋谷の会社に勤めていまして、たまたま仕事帰りに道玄坂で見た映画だったんです。あの頃は、あまりに仕事が忙しかったために、プロ野球を見る機会もほとんど無く、順位も分からない状況だったんです。それに過激なアンチ巨人としては、「どう頑張っても、巨人中心主義は無くならないんだ・・」と言う無力感もあって、僕の中での「野球」は終わりつつあったのかも知れませんね。 そんな時「ナチュラル」を見ました。この映画は最初1館か2館くらいでしか公開してなかった小品で、たぶん、何かの大作と抱き合わせで買い付けた物だったんでしょう?(あくまで想像ですが・・)。 ただ主演がロバート・レッドフォードと言うことで、彼のファンなら夏休みを利用して、それなりに観る人がいるだろうと考えたんだと思います。ところが、夏が終わって涼しい風が吹き始めても、客足が途絶えることは無かったんです。そうして、やがて思わぬヒット作となり、つぎつぎ上映館が増え、異例のロングランとなって行ったのです。 あの時、僕の心の中で何かが変わったんですね。「巨人中心の日本野球ではなく、本当のベースボールの面白さを誰かに伝えたい」確かにそんな気持になった記憶が蘇ります。その布石があって、ゴブリンズの話しが持ち上がった時に「草野球チームで、今までに無い何かを表現できるのかも知れない」と漠然と思い、引き受けたのかも知れませんね。 「四球を狙うな、積極的に打ちに行こう」とか「点数よりもヒットの多い方が勝ち!」などと、奇抜な言動で周囲を戸惑わせたことと思います。それと「ブレード走行記」、なんて読み物を書いたりすることもその狙いの一つだったんですね。こう言うのはたぶん、他のチームではあまり見られない活動だと思うんですが・・ ところで、「ナチュラル」の DVD でも買おうかと(いつも安くなってから買うので)値段...

オレンジオイル活用

★これは本来、ギターなどの楽器に使われる、木材用汚れ落とし・艶だし・保湿の製品ですが、何気なく金属バットに使ってみたら、けっこう奇麗に汚れが落ちたんです。 もともと「シトラスクリーナー」なんて油落としも有るくらいで、オレンジ成分には油分やゴムを溶かす効果が有るんですよね。 それが、バットにこびり付いた軟球のゴムに効いたみたいなんです。白っぽい軟球痕が溶けて消え、軽く艶も出ました。 これはいいと言うことで、木製バットにも使ってみたのですが、こちらは、そこそこ奇麗にはなるものの、木目に入り込んで取れなかったり、ゴムがニスに食いついてしまうのか、金属ほどには滑らかになりませんでした。 特に古い汚れほど落ちにくいようです。化学変化を起こすからかも知れないですね。まあ、金属・木製に限らず、使用したその日に手入れをすることが肝心なんですが・・ 「オイル」とは言っても、とろみ?は有りますが、しっかり拭き取ればいつまでもベタベタすることは有りません。色は透き通ったオレンジ色、もちろん柑橘系の匂いがします。 売っているのは楽器屋さんで、主にギターコーナーに有ります(扱っていない店もある)。値段は¥1000くらいだったかな。どうでしょう、バットにこびり付いた軟球のゴム痕が気になる人は、一度試してみてはどうですか。 あっ、でも、ゴムを溶かす性質が有るので、ビヨンド系はどうですかね。コーティングしてあるので大丈夫だとは思いますが、裂け目が有ったりしたら、そこから入ってウレタンを溶かしてしまうんでしょうか。 それとも、ウレタンはゴムとは違って何とも無いんでしょうか。手元に無いので試せないですが、バットの汚れ落としって、けっこう大変なので、使えたら便利ですよね。