★今年のテレビは、全体的に物足りない夏となりました。つまり夏恒例の「心霊番組」が少なかったと言うことです。
これは夏前に、こう言った番組に対するいろいろ苦言があったからなんです。たとえば「全国霊感商法対策弁護士連絡会」が「テレビ業界が、霊界や死後の世界などについての番組を放送することで、未成年者などが霊感商法やカルト宗教に入り、被害にあうきっかけとなっている」としてNHKや民放に自粛を求めた、と言うのが一番の原因でしょう。
だからこの夏は、マニア?としてはちょっと物足りなかったし、楽しみにしていた分、ハッキリ言って迷惑でした。(表現の自由はどうしてくれるんだあ!?)
だいたいですね、自分も中学生のころ、何人かの物好きな連中と「心霊研究」をやりましたが、誰一人として霊感商法やカルト宗教にハマったりしませんでしたよ。それどころか僕は、◯◯◯◯教の勧誘にあって困っている友人からの電話で、事務所まで駆けつけて、宗教論争で相手を論破し、友人を取り戻したことさえあるんですよ。
(大人二人が相手でした。一人は外人。それと今は衰えましたが、十代の頃は頭の回転が良かったのか、誰かと議論しても負けたことが無かったんです)
なので、弁護士さんたちのこの考え方は、少し見当違いなところが有ると思います。この弁護士会の中心になっているのは紀◯弁護士と言う人物ですが、この方はオ◯ム事件の時も活躍され、とても心強く尊敬すべき人なのですが(これ以外では今も尊敬してます!)ただいかんせん、どうも、精神が健康で安定した人の、直線的な考え方だなと言う気がするんですね。
カルトや霊感商法にひっかかり安いのは、気持ちの弱い不安定な人たちです。しかも小心で気弱だが、真面目で心がキレイで「正義感」は人一倍強い、そう言うタイプが多いんです。
こう言う人たちが、世の中の「偽善・巨悪」を目撃したとき、じつは、深く傷つき絶望感に襲われ、精神の安定を失い、「真実の心の美しさを求めて?」カルトに迷い込むようになってしまうのです。
たとえば、暴力団が悪いことをするのは「まあしょうがない」と思えるかも知れません(もちろん良くないですが)。しかし、企業や政治家や、官僚や警察官、教師と言った、本来正義でなければならない人々が犯す悪は、人一倍潔癖な人にとっては絶対に許すことが出来ない事柄なのです。
それらを目撃した時の精神的ダメージは普通の人には想像できないほど大きく、その積み重ねが、社会に対する強烈な嫌悪感、憎悪を抱かせてしまうのです。精神の弱い人はカルトにはまり、逆に強気な人はテロに走る恐れがあるのです。
こう言う心理は、健全で強固な精神の持ち主(少々世の中の悪にスレてしまった人)には、ちょっと理解の範疇を越えているのかも知れません。だから「心霊番組がきっかけ」なんて、単純な考えに帰結してしまうのでしょう。
でもそれではダメで、もっとしっかり「心の勉強」をして欲しいんです。かのカルト教団が、教祖の口車に乗って地下鉄サリン事件を起こしたとき、その現場がなぜ「霞ヶ関」だったのか、よくよく考えてみてください。
「社会悪の根絶!」これが何よりも肝心! そう言う意味では、これらの事件を報道する「ニュース番組」の方が、心霊番組より大きな悪影響を及ぼすものと考えられます。
かつて久米宏さんが「ニュースステーション」を降板するしないで大騒ぎになったことが有りましたが、あのとき久米さんは、その理由として「長年、事件事故を読んで来て、心の中がズタズタになってしまったから」と語ってました。
心の弱い(優しい)人には、主に思春期に、それがごく短期間にして起きてしまうものなんですよ。だからオ◯ムには若い人が多かったんです。この心理、わかるかなあ、わかんねえだろうなあ・・
僕には、恥ずかしながらこの心理がよく分かるのです。何故なら自分が十代のころそうだったから・・。ただ幸いにして僕には「絵を描く」と言う逃げ道があったのです。
幼い頃から感情の揺れが激しかった僕は、絵に出会うまでずっと「生きていて楽しい」と思ったことが有りませんでした。毎日毎日苦しいことの連続で、汚れきった世の中に絶望し、腐った大人に絶望し、「三十歳以上は信用しない」と孤立して行った僕は、絵を描くことでギリギリ精神のバランスを保っていたのです。
もしこの時、僕に絵の才能が無かったら・・、どんな道に迷い込んでいたか、振り返って思い出すと恐ろしくてなりません。(ちなみに脳科学では、芸術と宗教は同じ脳神経が扱うそうです)
だからハッキリと断言できるんです。かの弁護士が言っているような、「心霊番組否定論」にはまったく根拠が無いと・・・
・・ってな感じなんですが、早い話が、「心霊番組楽しみにしてるんだから、見当違いの配慮などせず放送してくれよ」ってことなんですよ。
まあ、とりあえず今年の8月は「ほんとにあった怖い話し・夏の特別編」で楽しませてもらいますけどね・・・
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