★北京オリンピックの野球、星野ジャパンはメダル獲得ならず、4位に終わりました。前日ソフトボールが見事金メダルを獲得したので、これに触発されて、何とかやってくれるのではないかと期待してたのですが、やはりダメでした。
とにかく打てませんでしたね。あれでは残念ながら勝つことは出来ません。何しろ、ヒットを打つどころかファールで粘ることも出来ず、空振りばかりなんですから・・
ベースボールの起源は「打つこと」から始まったのであり、「打たないチームに勝つ資格は無い」と言うのが僕の(独断的な?)考え方なので、すべての試合が完敗だったと言っていいと思います。アジア予選では、反対方向への鋭い当たりをたくさん打つことで勝利を手繰り寄せていたのに、それがほとんど見られなかったのが悔やまれます。
あと気になったのは、あまりにせん越で失礼なのですが、やはり星野監督の采配ですかね。解説の与田氏は「ピンチになっても星野監督が動じないのがいい」と言っていましたが、短期決戦の国際試合ではどうでしょう。「動じない」が「動きの鈍さ」になってませんでしたか。ちょっと、ピッチャーに対する思い入れが強過ぎた(熱過ぎた?)のか、交代時期がワンテンポ遅かったように思います。
かつて中日の監督時代、リーグ優勝して「中日 × 西武」の日本シリーズに臨んだとき、やはり同じようなピッチャーの起用法で、交代時期が遅れ日本一を逃したことが有りました。オリンピックを見ながら、あの時のシーンをまざまざと思い出していました。人間の気持ち、クセと言うのは、なかなか変わるものではないのですね。
全体を通じてとても印象に残ったのは、じつは試合そのものより、野村謙二郎氏の解説でした。洞察力が鋭く、分析が細かくて流れの読みが早い。何より説明が後付けではないのです。初めて見るような外人選手でも、ちょっとした仕草を見て次に何が起こるか、プレーが始まる前に指摘し、ほぼその通りに事柄が展開して行くのです。
あの見事な解説を聞いていると、こう言う人材を活用しない手はない、とも思いましたね。長嶋ジャパン、王ジャパン、星野ジャパン・・・、今までちょっと、名前とか権威にこだわり過ぎたような気がしませんか?
「でも経験が大事。見るとやるとじゃ大違いだよ」と言われるかも知れませんが、野村謙二郎氏は、国際試合を「選手」としてたくさん経験してるんですよね。それは国内で何年も監督やコーチをやるより、もっと大きな経験だと思うのです。
それと、女子ソフトを見て思いました。日本代表の監督が宇津木監督から斎藤監督に変わったとき、私は宇津木監督をスゴい人だと思っていたので、「監督を変えて大丈夫かなあ」と、勝手ながら非常に心配しました。
そしてオリンピックでは、斎藤監督の采配に対して、解説の宇津木さんが、そのつど細々とダメ出しをするんですよ。なので「ああやっぱり、斎藤監督じゃダメだ・・」と、あきらめかけたのですが、けっきょく最後に金メダルを勝ち取ったのは斎藤監督なんですよね。ようするに結果がすべて、斎藤監督の方が正しかったと結論づけていいんだと思います。
「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」
と唱ったのは、あれは吉田拓郎でした。
きっと若さには「新しさ」と言う強さがあるんでしょう。人間は、どんなに正論であろうと、同じことを何度も言われると感動が鈍ってしまいます。常に新しい感覚の導入、新鮮なリーダーシップが必要なのです。
・・なんて、つい熱く語ってしまいましたが、野球は、次のオリンピックから無くなるんですよね。
Commented by 通りすがりの者ですが・・ at 2008-08-24 03:37
星野という人の「言葉」や「指導力」や「存在感」は、とてもホットな印象を受けますが、それは、長い道のりを共に行くなかで、少しずつ、じわじわと人の力を引き上げたり、押し上げたりする、そういう類いの能力であるような気がします。
短く、急を要する時間の中で、機を見ること敏に一気に勝ち抜いて行く、そんなときに求められるクールな閃き、彼の言葉はそうしたマジックやフットワークを持った「言葉」ではない気がしました。
かつての同級生コーチとともに、どこか、でっぷりと試合を眺めてしまっているような、そんな印象を受けました。
Commented by 高橋10 at 2008-08-24 11:37
★なるほど・・ そう言えば、来年はさっそく二回目の「WBC」があるんですね。さて、人選をどうしましょう。楽しみのような怖いような‥‥
Commented by また通りすがりの者ですが・・ at 2008-08-25 04:14
わたしは野球に不案内なのですが、人選は「プロ野球実行委員会」とやらがするのだそうですね。経営側の集まりですね、日本ではコミッショナーより偉い。
こうした組織は責任をとりませんよね。つまり人選の一番の眼目は「誰に責任を取らせるのが相応しいか」ということです。長嶋ジャパン、王ジャパン、星野ジャパン‥‥といった見せ掛けの権威(名前)主義の裏側はそんなもんではないでしょうか。
帰って来た星野さんは、さすがにそこはよく解っていて「すべては監督である私の責任」と盛んに強調していますが、あれは選手や世間に対してというより、“上”に向けて言っているようにわたしには聞こえます。つまり、腹を切って見せている訳です。
もし、件の実行委員会の中に意識の高い人がいて「野村謙二郎氏を起用しましょう!」と提案したとしたら・・悲しいかな、よくある台詞が聞こえて来そうじゃないですか。
「君、そんなことして、もし負けたら一体誰が責任とるんだ!」
Commented by 高橋10 at 2008-08-25 22:25
★確かにおっしゃる通りかも知れないです。野球ファン自体もネットで、次期WBCの代表監督に「野村・落合・広岡」なんて名前を上げてるのでガッカリしました。ファンも大物待望意識が強いんですね。これからは野球もどんどん「国際試合」が重要になると思いますよ。オリンピックの間は「プロ野球」も「メジャーリーグ」も色あせて見えてましたから。それに「日本のプロ野球って、アメリカの3Aより弱いんだ‥‥」って、みんなが目の当たりにしちゃいましたからね。まずは次回WBCが大切。韓国のように、ボールを国際試合仕様に変更することから始めましょう。
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