★先日、テレビ東京の「みゅーじん」という番組に歌手のエポが出ていまして、つい見入ってしました。
彼女はヒット曲を飛ばしたシンガーでもあるのですが、セラピストとしての肩書きも持つようになったと言うのです。それは、母親との激しい対立で精神的なダメージを受け、歌を唱うことも出来なくなった経験からなのだそうです。父と息子だけでなく、やはり娘にもいろいろと有るようですね。
ところで「エポ」と言うとまず思い出すのは、デビュー当時の山下達郎氏への深い傾倒ぶりなんです。デビュー曲が「DOWN TOWN」と言う伊藤銀次作詞・山下達郎作曲の歌、と言うことからも分かるように、とにかく山下達郎のポップス路線を必死で追いかけていたミュージシャンだったのです。
デビュー間もない頃、大滝詠一氏のFM番組にゲスト出演し、「タツロウさんが・・、タツロウさんの・・」とやたら連呼するので、大滝氏が「もっと自分の表現をしないと・・」と呆れてしまったほど山下達郎氏を尊敬していたのですね。
その経緯も有って、やはりタツロウ・サウンドに夢中になっていた僕も「エポ」と言うシンガーは特別な感じで見ていました。もちろん曲は良かったし、アルバムもたくさん買いました。
その頃、僕は大学を卒業したばかりで、「JCGL」と言うCGプロダクションに勤め始めていたのですが、社屋が渋谷区の南平台と言う高級住宅街に有りまして、そのすぐ近くのビルの地下には「ふーみん」と言う小さな中華家庭料理屋が有ったのです。
我々はただ、昼夜の空腹を満たしに行くだけで良く知らなかったのですが、けっこう有名な店だったようです。なぜそう気づいたかと言うと、その店ではよく芸能人を見かけたからなのです。
僕が初めて「ふーみん」で見た芸能人は「堺正章さん」でした。次に見かけたのはサザンオールスターズの「桑田佳祐さん」。どちらも数人のスタッフ?に囲まれて、その肩の間から、スポットライトを浴びたように浮かび上がる姿が印象的でした。
二人ともほとんど喋らず、笑いもせず、ブスッとした表情で料理を待っているので、「機嫌が悪いのだろうか?」と、よけいな心配をした記憶が有ります。
その後は、そのころ活躍し始めた「浅野温子さん」が、男性と二人連れで来ているのに遭遇しました。カウンターで何やら楽しそうに会話をしていました。
その日、一緒に晩飯を食べに行ったエンジニアのH君が、浅野温子さんの大ファンだったようで、我々は彼女のすぐ後ろのテーブルに座ったのですが、振り返り振り返り「誰なんだ!あの男は!」と小声でグチっていたのを思い出します。僕の方は、浅野温子さんの美しい横顔と背中を見ながらの夕食となったのでした。
そんな「ふーみん」に、ある日あの「エポ」がやって来たのです。残念ながら僕はその現場に立ち会えなかったのですが、目撃者によれば、それはそれは劇的なシーンだったと言います。
「JCGL」の同期に「タマ」と言うニックネームの女子社員がいたのですが、じつはその彼女が、エポと高校時代の親しい友人だったそうなんです。で、何気なくタマが食事をしに「ふーみん」に入ったところ、ばったりエポと遭遇、互いに驚いて「エポ!」「タマ!」と呼び合い、その数年ぶりの偶然な再会に、しばし言葉を失った?のだと言います。
このことから「エポ」という呼び名は、芸能界に入る前からのものだったと推測できるわけですが、まあ、そんなこんなが有って、「エポ」と聴くと、何か他人事では無い親しみを感じてしまうところが有るのです。
番組によれば、歌を唱えなくなってから沖縄へ行き、地元の人に助けられながら少しずつ路上で唱い始め、投げ銭を拾って暮らすことも有ったと言うのです。そんな話しを聴くと、「本当に良く頑張って来たなあ」などと褒めて上げたくなるのです。
今では、必死で近づこうとした山下達郎的ポップス路線ではなく、独自のエキゾチックな民族音楽的路線で活躍しています。ある海外のプロデューサーから、「君の本質はポップスではない」と指摘され気づいたのだそうです。
「カウイ」なんかその傑作アルバムと言っていいですね。FMでもレギュラー番組が始まっており、転機が有って、初めて本来の活動の基盤が整って来たのだと思います。
さて、一方その後の「ふーみん」ですが、「エポ」と「タマ」の劇的再会のあと、しばらくして青山に移転して行きました。そして「JCGL」も池袋に移転、南平台はまた静かな高級住宅街へと戻って行ったのです・・
そう言えば、ついこないだ、TBSラジオの番組「森山良子ハートオブポップス」を聴いていたら、森山良子さんと番組スタッフが、青山の「ふーみん」へ行き、店にある酒という酒全てを飲み干した、と言う武勇伝を披露していましたっけ。
あれから20年以上が過ぎ、今ではほとんど訪れることも無くなりましたが、まだまだ「ふーみん」は、「芸能人がよく来る店」として健在だと言うことが分かりました。
◎ テレビ東京「みゅーじん」
◎ エポ「カウイ・唄の谷」
◎ 中華風家庭料理 ふーみん
彼女はヒット曲を飛ばしたシンガーでもあるのですが、セラピストとしての肩書きも持つようになったと言うのです。それは、母親との激しい対立で精神的なダメージを受け、歌を唱うことも出来なくなった経験からなのだそうです。父と息子だけでなく、やはり娘にもいろいろと有るようですね。
ところで「エポ」と言うとまず思い出すのは、デビュー当時の山下達郎氏への深い傾倒ぶりなんです。デビュー曲が「DOWN TOWN」と言う伊藤銀次作詞・山下達郎作曲の歌、と言うことからも分かるように、とにかく山下達郎のポップス路線を必死で追いかけていたミュージシャンだったのです。
デビュー間もない頃、大滝詠一氏のFM番組にゲスト出演し、「タツロウさんが・・、タツロウさんの・・」とやたら連呼するので、大滝氏が「もっと自分の表現をしないと・・」と呆れてしまったほど山下達郎氏を尊敬していたのですね。
その経緯も有って、やはりタツロウ・サウンドに夢中になっていた僕も「エポ」と言うシンガーは特別な感じで見ていました。もちろん曲は良かったし、アルバムもたくさん買いました。
その頃、僕は大学を卒業したばかりで、「JCGL」と言うCGプロダクションに勤め始めていたのですが、社屋が渋谷区の南平台と言う高級住宅街に有りまして、そのすぐ近くのビルの地下には「ふーみん」と言う小さな中華家庭料理屋が有ったのです。
我々はただ、昼夜の空腹を満たしに行くだけで良く知らなかったのですが、けっこう有名な店だったようです。なぜそう気づいたかと言うと、その店ではよく芸能人を見かけたからなのです。
僕が初めて「ふーみん」で見た芸能人は「堺正章さん」でした。次に見かけたのはサザンオールスターズの「桑田佳祐さん」。どちらも数人のスタッフ?に囲まれて、その肩の間から、スポットライトを浴びたように浮かび上がる姿が印象的でした。
二人ともほとんど喋らず、笑いもせず、ブスッとした表情で料理を待っているので、「機嫌が悪いのだろうか?」と、よけいな心配をした記憶が有ります。
その後は、そのころ活躍し始めた「浅野温子さん」が、男性と二人連れで来ているのに遭遇しました。カウンターで何やら楽しそうに会話をしていました。
その日、一緒に晩飯を食べに行ったエンジニアのH君が、浅野温子さんの大ファンだったようで、我々は彼女のすぐ後ろのテーブルに座ったのですが、振り返り振り返り「誰なんだ!あの男は!」と小声でグチっていたのを思い出します。僕の方は、浅野温子さんの美しい横顔と背中を見ながらの夕食となったのでした。
そんな「ふーみん」に、ある日あの「エポ」がやって来たのです。残念ながら僕はその現場に立ち会えなかったのですが、目撃者によれば、それはそれは劇的なシーンだったと言います。
「JCGL」の同期に「タマ」と言うニックネームの女子社員がいたのですが、じつはその彼女が、エポと高校時代の親しい友人だったそうなんです。で、何気なくタマが食事をしに「ふーみん」に入ったところ、ばったりエポと遭遇、互いに驚いて「エポ!」「タマ!」と呼び合い、その数年ぶりの偶然な再会に、しばし言葉を失った?のだと言います。
このことから「エポ」という呼び名は、芸能界に入る前からのものだったと推測できるわけですが、まあ、そんなこんなが有って、「エポ」と聴くと、何か他人事では無い親しみを感じてしまうところが有るのです。
番組によれば、歌を唱えなくなってから沖縄へ行き、地元の人に助けられながら少しずつ路上で唱い始め、投げ銭を拾って暮らすことも有ったと言うのです。そんな話しを聴くと、「本当に良く頑張って来たなあ」などと褒めて上げたくなるのです。
今では、必死で近づこうとした山下達郎的ポップス路線ではなく、独自のエキゾチックな民族音楽的路線で活躍しています。ある海外のプロデューサーから、「君の本質はポップスではない」と指摘され気づいたのだそうです。
「カウイ」なんかその傑作アルバムと言っていいですね。FMでもレギュラー番組が始まっており、転機が有って、初めて本来の活動の基盤が整って来たのだと思います。
さて、一方その後の「ふーみん」ですが、「エポ」と「タマ」の劇的再会のあと、しばらくして青山に移転して行きました。そして「JCGL」も池袋に移転、南平台はまた静かな高級住宅街へと戻って行ったのです・・
そう言えば、ついこないだ、TBSラジオの番組「森山良子ハートオブポップス」を聴いていたら、森山良子さんと番組スタッフが、青山の「ふーみん」へ行き、店にある酒という酒全てを飲み干した、と言う武勇伝を披露していましたっけ。
あれから20年以上が過ぎ、今ではほとんど訪れることも無くなりましたが、まだまだ「ふーみん」は、「芸能人がよく来る店」として健在だと言うことが分かりました。
◎ テレビ東京「みゅーじん」
◎ エポ「カウイ・唄の谷」
◎ 中華風家庭料理 ふーみん
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